■『新世紀エヴァンゲリオン』『ハローキティ』……海外の“オタク”もターゲットに!?

 日本アニメが海外で人気なのは語るまでもないが、“吹替ではなく原語版が聴きたい!”というファンも多く、日本人声優は海外でも熱く支持されている。

 とりわけ林原の場合、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイ、『ハローキティ』のキティちゃん、今敏監督の映画『パプリカ』のパプリカ、『ONE PIECE』(フジテレビ系)のレベッカなどなど、海外人気の高い作品に多数出演しているため、海外でも広く認知されている。

 最近の話題では、2001年放送のアニメ『シャーマンキング』(テレビ東京系)が2021年にリメイクされた際、ヒロイン役の林原が主題歌も担当したことが、海外の掲示板でも話題になり大いに盛り上がっていた。“オタク”に国境はないのだ。

 そして3つ目の海外ウケのポイントは「ジャンル」。

「乃木は自衛隊の『別班』の潜入捜査官ですし、友人はCIA。さらに、乃木が正体を隠して接触している野崎は、アメリカのFBIのような立ち位置の警視庁公安部。警察と潜入捜査官が駆け引きしたり、出し抜いたり。そういうスパイや捜査官が活躍するジャンルの作品は、海外でも安定した人気を誇りますよね。自衛隊も海外の”軍隊”とは少し違う文化なので、新鮮さを感じるかもしれません。さまざまな意味で、アジアでも自衛隊への関心は高いですよね」

 実際に『VIVANT』の作風については、

《半沢直樹と24とミッションインポッシブルを足して3で割って2乗した感じのドラマ》
《NCIS LAとか潜入捜査官シリーズめっちゃ見るし好きだけど、VIVANT引け取らないねー!》
《爆発したりカーチェイスしたり、アメリカとかイギリスのドラマみたいでめっちゃ楽しい!!!》
《日本版ジェームズボンド、ミッションインポシブルに化けるか、今後が楽しみ 》

 といった海外ドラマや映画になぞらえて評価する声が、SNSにも多く寄せられている。

「最後に、やはり壮大なスケール感。カーアクションに、モンゴルの壮大な砂漠越え、モンゴル軍の装甲車による一斉砲撃など、雄大かつド派手なアクションシーンが目立ちますよね。

 第3話で帰国後、映像が弱くなるかという懸念もありましたが、第4話では “尾行していたが人込みに紛れて見失ってしまう”というシーンを描くために約600人のボランティアエキストラを動員していたりと、妥協なき姿勢を感じさせます。エキストラが少ないと、同じシチュエーションでも絵面がかなり弱く見えてしまいますからね。

 雄大なモンゴルの地で撮影し、圧倒的な自然をまずしっかりと見せることで有無を言わせぬスケール感を演出する。その後も予算を投入して国内でも大規模なロケを敢行する。それらはすべて、海外でも見てもらえるようなクォリティを目指す、そこから来ているそうですよ」

※画像はTBS日曜劇場『VIVANT』公式X(ツイッター)『@TBS_VIVANT』より

 週イチ放送の連ドラと違い、“気づいたら全話一気見してしまった”ということも珍しくない配信ドラマ。あらゆる面で、これまでの国内ドラマとはあまりにも異なるスケール感で描かれている『VIVANT』は配信での“一気見”も意識しているのかもしれない。空前の超大作『VIVANT』は、世界でも高く評価される韓流ドラマに負けず、外貨を獲得することができるのか――。