■第5話では意味深な舌打ちも

 また、第5話で新庄(竜星)は、空港から電話で野崎(阿部)に、“乃木(堺)はサウジアラビア行きの飛行機に乗った”と報告をしたにもかかわらず、実際の乃木はその後バルカ共和国にいたこと、また空港で野崎が乃木の動向を追っている理由を教えてもらえず、「チッ、何だよ……」と不貞腐れた顔で舌打ちしていたことから、

《新庄(竜星涼)さんの、舌打ちからの「なんだよ」が怪しすぎる…》
《最初にVIVANT=別班ってわかった時に乃木の顔見たり顔を見合せていたこと 山本を見失ったタイミング乃木が出張先行きの飛行機に乗っていないのに乗っていた(ほんとはバルカに飛んでいたのに)と嘘の報告してるから別班仲間だな》

 といった声が、SNSにも寄せられている。

「これまで公安では、同僚の鈴木(内野)が“公安で1人だけクリスチャンらしき仕草を見せる”“尾行を見失う”“乃木の経歴を高校時代までは裏取りしていなかった”といった描写から視聴者に怪しまれてきましたが、第5話の時点では新庄の方が怪しくなってきました。鈴木の描写はミスリードで、実際は単に間の抜けた部分のある刑事だった、というオチかもしれませんね」

 また、ある意味では新庄以上に謎が多いメインキャラクターとして、第1話時点から二階堂ふみ(28)演じるWHI(世界医療機構)の医師・柚木薫は絶えず視聴者から疑いのまなざしを向けられ続けている。

「柚木薫については、乃木の行動も込みで特に怪しまれています。薫は、バルカ共和国の少女でファロー四徴症のジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)の主治医ですが、ジャミーンや薫に対して、乃木は非常に好意的に接していました。

 しかし、乃木の本性は日本を守るためなら殺人も辞さない容赦のない男。“美しき我が国を汚す者は、何人(なんぴと)たりとも許さない”と言い放つ人物です。第5話では“テント関係者の家族”は殺さない仏心を見せてはいましたが、それでもテントの関係者だった山本(迫田)は容赦なく殺していましたよね。

 そんな乃木がやたらと接触を図ったり、第2話では命懸けで砂漠の横断中に遭難した薫を助けようとしたりしていた。乃木は薫への恋心などで動くような男とは考えられない。乃木の薫への行動には何らかの裏が間違いなくある、と考えられているんです」

 謎多き柚木薫――第2話では薫が、バルカ共和国の日本大使館からの逃走経路がロシア国境に向かう、と聞いた時にも非常に意味深な表情を浮かべていた、という指摘もある。

「第5話で明らかになったんですが、テロ組織・テントの本拠地は移動しているのですが、そこにたどりつく際の“集合場所”はロシア国境付近だといいます。“ロシア国境”に反応していた薫。それはつまりテントのことを深く知っている可能性があるのでは、ということですね。

 ただ、薫については“テントのスパイ説”もありましたが、それではありきたりすぎますよね。何より、柚木の動向を考えると、テント以上にしっくりくる“組織”が浮上してくるんですよね」

 その1つは、フランス語に詳しいと思われることだという。

 第1話では乃木に自爆テロを仕掛けたテントの関係者が発した「お前が“ヴィヴァン”か?」という言葉が大きな謎として扱われた。この時点では“別班の外国語訛り”という推理にたどり着いておらず、何らかの外国語だと思われており、推理の最中に薫が「ヴィヴァンってフランス語にありますよね」と言ってから「VIVANT」と紙に書いた。

 その際、発音しない“T”もしっかりと綴ったのだ。なお、「VIVANT」はフランス語で「生き生きとした/賑やかな」などの意味になる。