■裏でジブリや人気ハリウッド映画を放送する日テレ

 目黒は原作に忠実にハルをしっかりと演じているのだが、ハルは本性をあまり表に出さず、常にわざとらしいオーバーリアクションや高笑いをするキャラクター。これを誤解して受け取ってしまった視聴者も多く、

《目黒蓮は相当見事に演じてる。今後ドラマで素の陽や、何故一兆ドル稼ぐ事に1話目で「目黒の演技が……」って言って離脱した人が感じた嘘臭さが見事な演技力だったと気付くのだろう》
《トリリオンゲームはちょっと面白そうな感じもあるけどなんか見るエネルギーが出なくて2話くらいから進んでない。目黒蓮くんの演技がちょっとくどさがあるような》
《目黒くんの演技もsilentよりも大げさでなんか違う…でもなんだかんだで見てしまうのよねながらで見るちょうどいいやつ》

 と、『silent』を引き合いに出されてしまったり、原作を知っているか否かで目黒の演技について解釈が割れてしまっているのだ。

 前出の制作会社関係者は続ける。

「次に、これがかなり大きなウェイトを占めていると思われますが、ドラマスタート当初から、日本テレビが『金曜ロードショー』で『トリリオンゲーム』には強力な裏番組をぶつけてきたんです。それはまるで、日テレの“Snow Manつぶし”とも思える露骨さでしたね……。

 さらに、8月25日、第7話放送日は『金曜ロードショー』ではなく『FIBAバスケットボールワールドカップ2023』の開幕戦(日本×ドイツ)が裏でしたが、ワールドカップの開幕戦、しかも日本戦となれば、普段はバスケに興味がない人も“見ようかな”というマインドになりますよね。同放送はコア視聴率は5.4%を記録していて、『トリリオンゲーム』を圧倒しました」

 連続ドラマの序盤を見逃すと、継続して視聴しようという気持ちが削がれてしまう。それを狙って強力な裏番組をぶつけるのはテレビ局の常とう手段だが、日テレは序盤だけでなく『トリリオンゲーム』に対して、『金曜ロードショー』で容赦なく人気作品をぶつけてきた。

 まず、『トリリオンゲーム』第1話の7月14日はスタジオジブリの『コクリコ坂から』。コア視聴率3.9%を記録していたが、これに対しては『トリリオンゲーム』も3.6%で善戦していた。

 しかし、第2話が放送された21日は、ジブリ映画でも特に人気の高い『もののけ姫』。コア8.6%というとんでもない数字を叩き出し、『トリリオンゲーム』はコア2.2%に激減した。

 その後も同28日に最新作『運命の炎』が公開されたばかりで話題性抜群の山崎賢人(28)主演映画『キングダム2 遥かなる大地へ』を放送。

 8月以降も、4日にはディズニー・ピクサーのCGアニメ映画『カールじいさんの空飛ぶ家』、11日、そして18日にはジョニー・デップ主演の『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』と『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』をそれぞれ放送。25日には、先述のバスケ開幕戦をぶつけたてきたわけだ。

 さらにダメ押しと言わんばかりに、9月1日にはロバート・ダウニー・Jr.主演の映画『ドクター・ドリトル』が、“地上波初放送”かつ“本編ノーカット”という強すぎる肩書付きで放送されるのだ。『トリリオンゲーム』を全力で潰しにかかっているのは、火を見るよりも明らかだろう。