■“怪しい公安2人組”と“日本とバルカ蜜月の会話”

「本筋からフェードアウト状態の人物では、警視庁公安部で野崎の部下である鈴木祥(内野謙太/38)と新庄浩太郎(竜星涼/30)の2人もそれぞれに意味深な描写がありましたよね。単なるミスリードだったのかもしれませんが、もしかしたら今後回収されることもあるかもしれません」

 2人はそれぞれ、

“鈴木が別班がマークしていた誤送金事件の真犯人・山本巧(迫田孝也/46)を尾行中、新庄と尾行を交代したタイミングで見失ってしまう”

“乃木の経歴を調査していたが、鈴木の調査が甘く高校時代までちゃんと調べていなかった”

“新庄は空港で野崎が乃木の動向を追っている理由を教えてもらえず、「チッ、何だよ……」と不貞腐れた顔で舌打ちをする”

 などなど、優秀な公安にもかかわらず、別班にとって“都合の良いミス”を繰り返したり、新庄は野崎に不満げな姿を見せていたことから、視聴者の間では「実はどちらかが別班関係者では?」という声もある。

「加えて鈴木の場合、公安のメンバーは黒スーツが基本なのに1人だけグレーのスーツを着ているうえ、監禁されている容疑者(飯沼愛/20)の無事を祈り同僚と共に神道の神棚に手を合わせて成功を祈った直後、1人だけ十字を切っていてクリスチャンであることを示唆する描写もあった。かなり強調されて映っていたため、これが単なるキャラづけでは終わらないのでは……と考えられていますね」

 登場人物の発言についても、謎は残るばかりだ。

 たとえば、第2話ではジャミーンの主治医でWHI(世界医療機構)の医師・柚月薫(二階堂ふみ/28)に関する赤飯の描写、駐バルカ共和国特命全権大使・西岡英子(檀れい/52)とバルカ外務大臣・ワニズ(河内大和)との会話の2シーンがそれぞれ“未回収の伏線ではないか?”と言われている。

「こは第7話でも強調されていたことですが、薫は日本人のソウルフードであるはずの赤飯を食べて“んんっ!?”と、顔をしかめていました。そのため《赤飯は通常の味じゃないのでは。薫が日本文化に疎い(テントメンバーで日本で生活していなかったから)のを再確認するためのトラップなのかと》といった指摘の声も多い。

 さらに、第2話の“赤飯で顔をしかめた”シーンは8月30日発売のノベライズ版(扶桑社)で、ドラマ版と違う、非常に重要かつ不自然な薫のセリフが書かれていて……。薫の正体には諸説ありますが、赤飯が重大な伏線であることは、間違いないでしょうね」

 同じく第2話の伏線で未回収なのは、ワニズが自爆テロの容疑者扱いされていた乃木らの引き渡しを西岡に要求した際の発言だ。

「あなたは1つ重要なことをお忘れのようだ。日本とバルカは未来永劫友好国でなければならない。

思い出しましたか?」

 と、ワニズは西岡に告げ、その後、西岡は乃木をバルカ警察が確保できるように裏工作を行なっていた。