■現場ではみんな知っていたジャニー氏の「噂」
一方、ジャニーズ事務所の所属タレントを起用する立場でもあるテレビ局。局内において、ジャニー氏の嗜好はどのように捉えられていたのか。
元テレビ朝日社員で情報・報道番組のプロデューサーを務めてきた鎮目博道氏は、「暴露本が出版されていたこともあり、噂レベルではみんな知っていた」としたうえで、「知っているということをジャニーズ事務所の耳に入れないようにしていた」と明かす。
「テレビマンって、すごく微妙な忖度をしないといけない仕事なんですよね。ジャニーズ事務所に限らず、芸能事務所やタレントのことはどんな小さな噂でも知っておいて、地雷を踏まないように立ち振る舞わなくてはいけない。だから、社員同士で常に情報は共有する。僕も暴露本こそ読んだことはありませんが、噂では聞いていました」
では、東山が社長になることについてはどう思うか。
「ジャニーズを代表するタレントがトップの座に就くことは、対外宣伝的、広告塔としてはアリだと思います。
ただ、そもそも芸能界にしろテレビ局にしろ、まともな経営者が不在という問題がある。現場に詳しいとか、面白い番組を作れるとか、そういう人間が力を持ちすぎる。だからこういう問題を、なんとなくあやふやにしたままにしてしまう。
東山さんに経営ができるかというと、正直そうは思えない。本来なら社長は外部からもってくるべきですが、そうでないのなら、東山さんをサポートする位置にちゃんとした経営ができる人をつけないと、体質は変わらないでしょう。
いっそ東山さんは、所属タレントたちの精神的な支柱として“タレント組合”のトップになって、経営側と意見をぶつける立場の方が良いのではないでしょうか」
まずはジャニー氏の加害があったことを認め、謝罪することが求められているジャニーズ事務所。そして、東山紀之新社長の下、リスタートが図られると見られているが、果たしてその船出は――。