【以下、『VIVANT』第8話までのネタバレを含みます】

 9月10日に、堺雅人(49)主演連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)の第9話が79分SPで放送される。

『VIVANT』は、自衛隊の影の諜報組織「別班」の一員である乃木憂助(堺)を主人公に描かれる、『半沢直樹』で演出を務めたTBSの福澤克雄氏が原作・監督を手掛けるオリジナルドラマ。第8話では乃木がテロ組織「テント」の創設者で実父であるノゴーン・ベキ(役所広司/67)と対面を果たした。

「乃木は父であるベキに会いたい一心で、作戦ではなく本気で別班を裏切ったことを別班の仲間で一緒に監禁された黒須駿(松坂桃李/34)に打ち明けたほか、テントに寝返った証拠としてベキの指示通りに黒須に向けて発砲までしていました。

 しかし、ここまでがすべて黒須も知らされていない別班の計画で、本当は裏切っていないのではないか――と、視聴者だけでなく、ベキも乃木に疑いの眼差しを向けている描写がありますね」(テレビ誌編集者=以下同)

 テントのナンバー2であるノコル(二宮和也/40)は「お父さん(ベキ)の銃が汚れる。こっちを使え」と乃木に自分の拳銃を手渡した。1発目を外した乃木は黒須の眉間に拳銃を押し当て、今度こそ殺そうとするも、不発。実はノコルが渡した拳銃には、銃弾が1発しか入っていなかった。

 ノコルは乃木の射撃の腕を警戒していて、弾倉が満タンの場合は黒須を射殺後の隙をつかれ、その場のテントメンバーが皆殺しにされてしまうかもしれない、と考え、あえて1発しか入っていない拳銃を渡していたのだ。

「乃木は、“銃には弾丸が1発しか入っていないという確信を持って外した”と、多くの視聴者が察しています。第1話から伏線が敷かれていましたが、乃木には“手に持っただけで、10g以内の誤差で重さを量ることができる”という特技を持っていますからね。

 仕事柄拳銃の扱いに慣れている乃木なら、拳銃の重さから弾数を計算することは容易でしょう。そして、このことにベキも気づいた感じでした……」

 第8話で乃木は、テントに案内された児童養護施設で、給食担当者・ヤスダ(音尾琢真/47)が子どもたちに食べさせる“うるち米”をこっそり少なくし、余った分を倉庫に隠して、ロシアに売りさばく不正を、ベキの目の前で暴いて見せた。

 前述の特技で、米が盛られた皿の重さを手で持っただけで乃木は計量し、逆算して1日9キロ分の米が中抜きされている、と推理。特技の説明を受けたベキは「そうかぁ……」と、遠くを見つめながら静かにつぶやいていた。