■ジュリー氏は「圧力疑惑」質問に毎度、首を振っていた――
この質問が会見の方向性を決めた。この状況に最も青ざめたのは、ジャニーズと日頃良い関係性にあるジャニーズ担当記者や、レポーターだったのでは、と前出の夕刊紙記者は話す。
「レポーターの中には、新社長となる東山さんが年末に東京・大阪で開催するディナーショーの行方を聞こうとしていた人もいました。実際に聞いたら、“そんなことどうでもいい!”と視聴者から猛バッシングの声が上がったでしょうが、しかし、新聞や社会部の記者からすれば今回の会見は事件取材。そんな緩い空気感には全くなりませんでしたよね。
そして、控室では、あるレポーターの人からは、『加害問題当事者の会』のメンバーに対して“お金がもらえればいいんでしょう”“たかり屋”などと軽口を交えた批判が飛び出していました。オフの場とは言え、会見の現場でそんなこと言うとは……。
東山新社長が“人類史上、最も愚かな事件”“鬼畜の所業”と表現したジャニー氏の加害問題ですが、重大事件として取材している記者とその人の間には、あまりにも大きな温度差がありましたね……」
1問目の質問が終わるや会見は、日々、事件取材を重ねている社会部系記者の独壇場と化す。
「スポーツ紙で質問をしたのは『東京中日スポーツ』と『サンケイスポーツ』のみ。ジャニーズカレンダーを毎年発売している出版社の記者も会見に参加していましたが、その中で質問したのは、『FRIDAY』(講談社)と『週刊現代』(同)、『集英社オンライン』(集英社)と数えるほど。
井ノ原さんは会見中に“メディアによる事務所への忖度はやめてほしい”と度々、発言しましたが長年の慣習はなかなか変えられませんよね。忖度する空気感が漂いまくっていた会見でしたね……」
ジャニーズ事務所によるメディアへの圧力に関する質問が飛び出すたびに、ジュリー前社長は渋い表情を浮かべて首を横に振っていたが……。
東山新体制への移行を発表したジャニーズ事務所。長年の慣習を変え、オープンな組織へと生まれ変われるのか。その行方をファンのみならず多くの人が注目している――。