■消去法で疑わしいのは2人に絞られる
「別班は覆面を被ってテントと接触しようとしていたところを“射殺”されたため、主要登場人物で“殺された4人”の顔を直接的に知っているのは、乃木とテントに捕らわれている黒須を除くと、別班の櫻井司令、事件現場で“死体”を確認した警視庁公安部の野崎守(阿部寛/59)、ドラム(富栄ドラム/31)、バルカ警察のチンギス(バルサラハガバ・バタボルド)の4人だけだと考えられます。
動画は日本の病院で撮影されたので、日本にいないチンギスも除外されますね」
櫻井司令についても“実は黒幕説”などはあるが、今回登場した動画では病院の廊下ですれ違う和田をかなりの至近距離で撮っている(おそらく盗撮)にもかかわらず、和田は完全にノーリアクション。もし撮影者が櫻井司令であれば多少の反応はするはずだから、櫻井も“日本のモニター”ではないと考えられる。
そうなると、残る“モニター候補”は2人――。
「野崎かドラムになってしまいますよね……。盗撮が胸ポケットにカメラを忍ばせて撮影する、といった方法だと仮定すると、別班を撮影した動画には高身長の人間が撮ったような視点の映像もあったため、《例えば胸ポケットとかにカメラ入れてるとして、胸がこの高さになるくらい背が高い人といえば……………?》と、演じているのが高身長の阿部である野崎を疑う声も出ていますね」
しかし、野崎がテントのモニターだとすると、これまでのドラマがめちゃくちゃなことになってしまう。乃木は野崎を信頼しており、第7話ではバルカ行きの飛行機で「あなたは鶏群の一鶴。眼光紙背に徹す、です」と“あなたは群を抜いて優秀だから、行動の裏を汲み取ってください”と読み取れるニュアンスの言葉を投げかけるなど、意味深な描写もある。
「本作はモノローグなど野崎目線のシーンも多いし、ドラマの前提が崩れるような展開はさすがに考えづらい。あと1話で最終回ですから、さすがに風呂敷をたたむのが難しくなるでしょう。
そうなると、やはりショッキングではありますが、怪しいのはドラム、ということになってしまいますよね……」
ドラムは、愛嬌のある笑顔、口がきけない代わりに使っている会話アプリ(声:林原めぐみ/56)の口調のかわいさ、超有能なサポート能力から、視聴者人気が非常に高いキャラクター。
しかし、“黄色の衣装”を着ていることで、裏切り説もささやかれていた。
「本作は敵味方問わず裏切りを行なった人物は、衣装などから“黄色”が強調されているんですが、ドラムはいつも黄色い服を着ていますからね。
加えて、乃木が別班4人を“射殺”した第7話では不穏な描写があり、視聴者に疑いの目を向けられたこともありました」