【以下、『VIVANT』第9話までのネタバレを含みます】
9月10日に堺雅人(49)主演の連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)の第9話が放送された。
『VIVANT』は、自衛隊の影の諜報組織「別班」の一員である乃木憂助(堺)を主人公に描かれる、『半沢直樹』で演出を務めたTBSの福澤克雄氏が原作・監督を手掛けるオリジナルドラマ。第9話では、謎のテロ組織「テント」をめぐる重要なキーワードだった「最終標的は日本」の意外な真実が明らかとなった。
「テントの最終標的は日本」――日本の公安や別班がテントの正体を把握できていなかった第4話の時点で「各国の諜報機関」の間ではテントと日本の関係性が噂されていて、乃木に自白剤を投与されたテントのモニター(工作員)の山本巧(迫田孝也/46)も「リーダーの最後の標的は日本」で「みんな言ってる」と話していた。
そして、テントの創設者ノゴーン・ベキ(役所広司/67)の正体は、40年前の潜入捜査中にバルカ共和国の内乱で死亡したことにされていた、警視庁公安部の乃木卓。救助ヘリが自分や家族を見捨てた件は「指揮官の命令で引き返すよう指示があった」とベキは後に知ったが、そのせいで妻・明美(高梨臨/34)と憂助を失った。
これらの情報から「ベキは自分や家族を見捨てた日本や公安に復讐心を抱いているのでは?」と、別班や公安も想定していたが、実は、すでに現在のベキに復讐心など存在しないことが第9話で明らかになったのである。
ベキは自分や妻を見捨てた公安を恨んでいたのは事実と認めつつも、「(40年前の件が)どこかで広まり、話が大きくなってしまったんだろう」と語り、必死にバルカで孤児救済をしている間に日本への恨みは無くなったこと、その証拠に日本を狙ったテロの依頼はすべて断っていることも明らかになった。
「ずっと視聴者が考察し、追い続けてきた“謎”としては拍子抜けする答えに見えますが、本質はそこではありません。問題は、“誰かがこのデマを意図的に広げた可能性が高い”こと。そして、“それをやったのは誰なのか、その目的はなんなのか”ですよね。
視聴者の間ではあらゆる人物が疑われていますが、まずはベキの“息子”であるノコル(二宮和也/40)が怪しいとされています」(テレビ誌編集者=以下同)
ノコルは、かつて息子の憂助が死亡したと思い、廃人同然になっていたベキが、孤児の幼い子どもから「弟に何か食べさせてあげて……ノコル(当時0歳)をお願い……」と託された存在で、現在までベキから実の息子同然に愛情を注いで育てられている。
“本当の息子”である憂助が登場してからは、露骨に不機嫌な態度を見せて、敵意も向けるなど、感情的になりやすい性格であることも描写されてきた。
そんなノコルが、損得勘定などを抜きに、純粋な思いから「父親を見捨てた日本」を恨んでいても、不思議ではないだろう。