■会見でも上がった事務所のメディアコントロールへの批判
この会見が行なわれる前には、事務所が設置した『外部専門家による再発防止特別チーム』が調査報告書を公表。報告書によると、被害者の数は数百人にも及ぶという。稀代の芸能プロデューサーであるジャニー氏が犯した罪はあまりに重い。
言い逃れの余地がないのは衆目の一致するところだが、ここまでの被害が生まれた背景には、どのような理由があったのか。
「報告書では“マスメディアの沈黙”も指摘されていました。多数の人気タレントが所属し、出演番組は高い視聴率が獲得でき、出版社から刊行されるグループのカレンダーも飛ぶように売れる。そんな事務所の圧倒的な力を前に、テレビ局や新聞、週刊誌も、ジャニー氏の加害問題を報じてこなかったというわけです」(前出のスポーツ紙記者)
ジャニーズ事務所によるメディアコントロールの具体例として上げられるのは、2019年7月17日にNHKにより報じられた公正取引員会による事務所への注意処分だろう。
「元SMAPメンバーで、ジャニーズ事務所を辞めた香取慎吾さん(46)、草なぎ剛さん(49)、稲垣吾郎さん(49)のテレビ出演に対して、ジャニーズ事務所がテレビ局へと圧力を掛けた疑いがあるとのことでした。
ジャニーズ事務所は所属タレントの出演引き上げをチラつかせ、競合グループとの共演を周到に避けてきた。テレビ朝日が放送する『ミュージックステーション』では、男性アイドルグループとジャニーズタレントが共演することはまずありません」(前同)
9月7日の記者会見でも、質問は事務所によるメディアコントロールへと及んだ。