■乃木の決めセリフを言い渡すには西岡がピッタリ?
そうなると、“裏切り者の黒幕”は腐敗した両国政府の上層部という形になってくる。バルカ共和国は40年前は人身売買が横行していたり、現在も物乞いが多いほか、警官や軍人に対する賄賂が公然の秘密になっていたりと、治安の良い国ではない。
さらに、乃木の「美しき我が国を汚すものは何人(なんぴと)たりとも許さない」という決めセリフの演出の観点からも、政治家が敵というのは収まりが良いと考えられる。
「別班は日本の脅威となる外敵を“排除”する組織であり、テントも当初は“日本を狙っている疑惑のある謎のテロ組織”としてマークされていました。
しかし、テントは日本にとって無害な組織であることが第9話で明らかとなった。そして、乃木は“日本を裏切った”テントのモニターである山本巧(迫田孝也/46)は躊躇なく始末しましたが、最初からテントの人間だったアリ(山中崇/45)は、家族ごと逃亡の手配をする仏心まで見せていましたよね。
つまり、乃木が決めセリフを言い渡す相手は“日本を裏切った人間”がふさわしい。そうなると、やはりゴビらと結託していた西岡(檀れい)たちの企みが暴かれて、乃木が“美しき我が国~”を言い渡して粛清する――というのが、締まりが良いのではないでしょうか。“真の敵は身内”というのも、王道ですからね。もちろん、黒幕が政府の上層部であれば、西岡よりも上が不正に関与している可能性が高そうですが……」
最終回予告で、取り乱したかのように叫ぶ姿もある西岡と、ゲスな笑いを浮かべているワニズ。ゴビともども、乃木とテント、もしかするとそこに公安の野崎らも加わって、彼らに裁きを下すのかもしれない――。