■吹替え声優の演技と“サニーチバ”譲りの真剣佑の殺陣も好評
「確かに、一部のキャラクターがリストラされたり、本来は別のエピソードが統合されたり、変更点に賛否の声もあるものの、非常にまとまりの良いシナリオになっていましたね。各キャラの性格も、原作の持ち味は生かしつつアメリカナイズされていて、良い意味で“洋画チック”にアレンジされていました。
また、“実写あるある”としては、役者のビジュアルがコスプレみたいになってしまうことが多いですが、本作の場合“ぐるぐる眉毛”や“ピノキオみたいな長い鼻”といった、各キャラクターを象徴するポイントを無理に再現せず、リアル寄りに馴染ませている点も好評です。
とりわけ、原作だと長鼻が特徴のウソップは実写版だと普通の鼻ですが、それを補って余るくらいに顔つきも雰囲気も完璧で、《鼻が長くなくてもウソップにしか見えないそっくり逸材》と大絶賛されていますね」
実写版『ワンピース』が成功した理由の2つ目は、特に日本人ファンにとって嬉しいポイント――「吹替えキャスト」の存在が挙げられる。
「ルフィ役の田中真弓さん(68)をはじめ、キャストの9割がアニメ版(フジテレビ系)と同じなんです。それでいて、演技もルフィの声がアニメより低音なのを筆頭に、実写の雰囲気に合わせたものに変更されているから、不自然にアニメ声すぎて浮いている感じもしません。
ちなみに、『麦わらの一味』ではサンジ役(タズ・スカイラー/27)の平田広明さん(60)が特に洋画に強い声優として有名ですが、代表作が海賊映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の主人公ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ/60)の吹き替えであることが、ファンの間でネタにされています」
そして3つ目――これが、真剣佑にも強くかかわってくる部分だという。
「殺陣のクオリティが非常に高い。ゾロのアクションシーンでは“腰に下げたアクション用の柔らかい刀が折れ曲がっている”のが映ってしまうミスが指摘されていますが、真剣佑さんの殺陣は完璧です。基本はしっかりした二刀流で戦い、実写では難しい“口に刀を咥える三刀流”も、シーンは少ないながらちゃんと再現していました。
真剣佑さんの父親は世界的アクションスターの“サニーチバ”千葉真一さん(享年82)ですが、その遺伝子の強さを感じさせた、素晴らしい殺陣でしたね」
父親の命日である1月22日に結婚し、今夏には第一子が出産予定とプライベートも明るい話題がある真剣佑。『ワンピース』シーズン2の決定により、ますます俳優として大成することになりそうだ。