【以下、『VIVANT』第9話までのネタバレを含みます】

 9月17日、堺雅人(49)主演の連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)がいよいよ最終回を迎える。

『VIVANT』は、自衛隊の影の諜報組織「別班」の一員である乃木憂助(堺)を主人公に描かれる、『半沢直樹』で演出を務めたTBSの福澤克雄氏が原作・監督を手掛けるオリジナルドラマ。

 第9話のラスト、乃木は別班を裏切ったのではなく、実際は任務でテロ組織「テント」へ潜入していたことが発覚。実父でテントの創設者ノゴーン・ベキ(役所広司/67)に縛り上げられ、絶体絶命を迎えている。

「乃木は“別班の潜入任務でテントに来た”とベキに告げましたからね。このシーンでは、乃木の別人格である“F”と乃木自身とが葛藤し、Fは必死で“言うな”“殺されるぞ!”と警告。にもかかわらず、乃木は“結局言ってしまった”。

 ただ、Fからの必死の口止めは、“実は別班の潜入任務だった”ことを言わせないようにしているのかと思いきや、そうではないかもしれないんですよね……」(テレビ誌編集者=以下同)

 Fが必死に乃木を止めた理由については、

《Fが言うなと言ったのは「自分が別班の任務で来たこと」ではなく、乃木にはさらなる別の目的があるのかも知れない。あの感じだとFが止めたのに言っちゃったように見えるけどミスリードの可能性もある》
《もしかして、乃木は別班の任務で、Fの方が本当は父親に会いにきた、とか》

 といった考察もされている。

 つまり、乃木の別人格のFが口止めしようとしたのは、第7話までに描かれてきた別班の潜入任務であること、ではなく、乃木の中にある別の「真の計画」だったのではないか、ということだ。

「『VIVANT』は公式が“最終回への3つの考察ポイント”を挙げていますが、その1つに第7話で乃木がテントと関係がある少女・ジャミーンのお見舞いに訪れた場面について“乃木とジャミーンとの間に何があったのか”というのがありました。

 このシーンでは、ものの善悪を見抜く能力のあるジャミーンに乃木が判断を託し、その結果《乃木はテントを悪でないと考え潜入した》といった考察があります。そこから発展して、これまでのテントの情報と実情のズレ、日本とバルカ政府の間に後ろ暗いところがあることが示唆され、1つの可能性が考えられるんですよね……」

 ベキ(乃木卓)は”40年前に公安の任務で潜入捜査していたが、見捨てられて家族を失った”という過去があるものの、テントは孤児救済を目的に動く組織であり、テロ活動は資金稼ぎのために請負っていただけ。ベキは祖国である日本を恨んでおらず、日本へのテロ活動は行なっていない。

 にもかかわらず、「テントの最終標的は日本」という情報が世界中に出回り、別班は櫻井里美司令(キムラ緑子/61)の指揮で秘密裏に調査していた。

「第9話で明らかになったことですが、テントは3年前にバルカ共和国にフローライト(蛍石)が眠る土地を発見していて、それを確保することで半永久的に孤児や貧しい人々のための資金を捻出する計画を立てていました。そして、第9話でそれがバルカ政府に漏れ、横やりが入りそうになったわけですが……バルカおよび日本が、テントが見つけたフローライトを横取りしようとしているのでは――という考察がされているんです」