■前番組の『せっかくグルメ』も『イッテQ』超えのコア視聴率

 前出の制作会社関係者は続ける。

「最終回の前番組『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)にもドラムさんが出演。ブラックマヨネーズ小杉竜一さん(50)、メイプル超合金の安藤なつさん(42)とともに、堺雅人さんの出身地である宮崎県を訪れ、地元の人と交流し、地元のグルメに舌鼓を打っていましたが、この日のコア視聴率は5.0%とかなりの高数字でした。

 裏の『イッテQ』は普段なら7~8%ほどのコア視聴率を取りますが、この日は4.9%と低かった。『イッテQ』が『VIVANT』だけではなく、『せっかくグルメ』にも負けるという驚きの現象まで起きていたんです。

 もちろん、最終回を前に番宣もすごかったですが、番組サイドが大々的な仕掛けをしなくても視聴者を巻き込み、X(ツイッター)に番組公式が情報を小出しにすることで考察が大盛り上がり。SNSのメインユーザーは13~49歳のコア層とも重なってくる。コア視聴率が回を重ねるごとに上がっていくのは戦略通りだったのではないでしょうか」

※画像は『バナナマンのせっかくグルメ!!』の公式X(ツイッター)『@sekkaku_tbs』より

■絶対王者『イッテQ』陥落で『VIVANT』は歴史的ドラマに

 10.1%というコア視聴率は、サッカーW杯などの世界的なスポーツイベント、『24時間テレビ』(日本テレビ系)や『NHK紅白歌合戦』といった特別な番組でしか記録されないような数字。

「普通のドラマではあり得ない数字です。そして、最強の番組『イッテQ』がここまで完膚なきまでに負けたのは初めてのことではないでしょうか。前クールの『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)も話題を呼びましたが、コア視聴率では『イッテQ』のほうが勝っていました。その『イッテQ』を、ついにTBSの日曜劇場ドラマが凌駕し、前番組の『せっかくグルメ』でも勝った。絶対的な王者を陥落させたことでも、『VIVANT』は歴史に残るドラマになったのではないでしょうか。

 第1話、2話では圧倒的なスケール感を見せつけて話題を作り、第3話からは『半沢直樹』感もプラスさせてスピードアップ。犯人は、黒幕は誰なのかといった考察要素も強くさせ、そして第7話のラストで大きな山を作って最終章へ雪崩れ込んでいく。全10話にメリハリを作っていますよね。

 同時に、X(ツイッター)が盛り上がるように公式がヒント、解説を与え、視聴者による考察の過熱を煽る。さらに、最終章では超豪華出演者を稼働させ、ド派手な番宣ラッシュを敢行する――制作サイド、プロデュースサイドにはドラマ大ヒットのための方程式が見えていたのではないでしょうか。

 となると、もしかするとすでに、“続編”制作のための青写真もできているのかもしれませんね……」(前同)

 最終回を迎えたものの、まだまだ“VIVANT熱”は冷めそうにない!