■紅白はジャニーズが出なくても困らない?
どういうことか。
別の制作会社関係者は「紅白歌合戦において、年々ジャニーズ所属のタレント・グループがその枠を増やしてきた」と、まずその歴史を指摘する。
1951年から放送開始した『NHK紅白歌合戦』に、ジャニーズタレントが初めて出場したのは65年、4人組の『ジャニーズ』である。当初は1~2枠だったが、80年代に入り歌謡曲全盛期に突入。82年にはシブがき隊が初出場して3枠に。86年に少年隊が初出場して初めて4枠となった。
その後00年代は1~2枠と低迷期に突入したが、嵐が初出場した09年(4枠)以降は再び出場組数が増加。4~5枠が当たり前となり、13年には6枠。その後22年まで、5枠か6枠のどちらかという状況が続いている。
「加害問題が明るみに出なかったら今年も5枠か6枠だったでしょうが、さすがにそういうわけにはいかないでしょう。今や“ジャニーズ”という文字を見ただけで、加害問題が頭に浮かぶという人もいますからね。
受信料で番組を作っている以上、そうした世間の状態を無視するわけにはいかない。また、昨今では韓流アイドル全盛というのもあって、ジャニーズ枠を削減したところで若年層への訴求効果がある男性アイドルグループの選出に困らない、というのが本音です。
とはいえ、今年は3月にリリースされたSnow Manのシングル『タペストリー / W』はミリオンを達成するなど、ジャニーズ勢に実績があるのも確か。NHKとしても悩ましいところです」(前同)
また、紅白の枠数を減らしても、世間からは「ジャニーズだらけの『ザ少年倶楽部』を作っている」という批判が消えることはない。
「そこでまず、物議を醸している『ザ少年倶楽部』を見直す姿勢を見せれば、世間に“NHKもジャニーズ問題に向き合っている”とアピールできる。そしてジャニーズ事務所に対しての圧力にもなります。
ジャニーズ事務所内では、すでに紅白出場は自粛したほうがいいのではないか、という声も出ているといいます。ただ、本当にそれでいいのかと事務所幹部が右往左往しているうちに、NHKもジャニーズ切りを余儀なくされているのが実態。早く“辞退する”と言ってほしい、というのがNHKサイドの正直なところでしょう」(同)
これまで後手後手に回っているジャニーズ事務所が、社名変更も含めた今後の新体制について発表するのは10月2日。その内容によっては、企業、テレビ局からさらなる大ナタが振るわれる可能性もあるだけに、関係者は眠れぬ夜を過ごすことになりそうだ。