■そのほか多くの「何かありそうで結局何もなかった」キャラ

「薫(二階堂)以外にも、『VIVANT』はあからさまに怪しかったのに何にもなかったキャラクターがいましたが、公式が最終回の提供部分で伏線回収の可能性をほのめかしていましたね」

『VIVANT』の最終回のラスト、提供画面では別班のメンバーがそれぞれ紹介された後、途中から物語の本筋に絡まずフェードアウトしていたサイバー犯罪対策課の捜査官・東条翔太(濱田岳/35)と、乃木が勤める丸菱商事の長野利彦専務(小日向文世/69)が登場していた。東条は7話、長野は4話を最後に出番がないにもかかわらず登場したため、この2人は続編の出演が内定しているのでは、と考察されている。

 ※画像はTBS日曜劇場『VIVANT』公式X『@TBS_VIVANT』より

 そして、長野専務は“公安の取り調べから解放されたとき意味深に悪い表情を浮かべる”、“乃木が警戒するほどにバルカ共和国で巻き込まれた事件の詳細を根掘り葉掘り聞いてくる”などなど、意味深な場面がそのまま放置されて出番が終了していたため、

《ドラマ後の回想?に東条さんと長野専務も出ていた所を見ると続編期待です》
《最後に別班メンバーと公安メンバーの中に小日向さんいるということは不倫おじさんではなく続編の重要人物だろうな》
《エンドロールと提供後の映像、続編を匂わせるかっこいい仕上がりなんだけど、ねえねえ長野専務いたね!?やっぱあのひとなんかあるよね…?》

 と、続編での“回収”を楽しみにしている声が多く寄せられている。

「また、考察が盛り上がりすぎて、制作陣が意図していなかったのに、予期せず“ミスリード要員”になってしまったキャラクターも多い。代表格が、野崎の部下で新庄ともども“別班説”が疑われていた、鈴木祥(内野謙太/38)ですよね」

 鈴木は優秀な公安にしてはミスが目立つことに加えて、“公安のメンバー全員が黒スーツで神棚に祈った際に1人だけ灰色のスーツで、しかも1人だけクリスチャンのように十字を切る”という描写から疑われていた。

 しかし、9月7日配信の『文春オンライン』のインタビューで鈴木役の内野は、上記の考察について、偶然の産物だったことを明かしている。

《あのグレーはたまたまなんですよ。本当に僕を見て、変なやつだから、ちょっと変なヤツにしようって衣装合わせで変更されたみたいです》

《監督と話していたら、少なくともあのシーンを撮る段階では、日本の宗教的な多様性を描きたいという面もあったんだと思います。監督も違和感ないからそのままで行こう、みたいになったんですけど、オンエアになってみたらすごい話題になっていて》

 ということだった。『VIVANT』は第1話と最終話に「日本人は他人の宗教も尊重できる」というメッセージを込めたセリフがあるため、内野の「宗教的な多様性~」という発言はそれを裏づけていると思われる。

「それでも、薫や長野専務にはまだまだ謎が多い。もし続編が作られるとしたら、また視聴者の度肝を抜く、“ウソでしょ!?““うわ、騙された!”と思わず叫ばずにはいられない見事な裏切りを期待したいですよね」

 福澤監督いわく「僕の中では第3部まで考えて作ってる」という『VIVANT』。続編では、新たな「裏切り」を見せてくれるに違いない――。