■日テレが目指すのは『劇場版 葬送のフリーレン』の成功
日テレは『世界の果てまでイッテQ!』を筆頭に「バラエティの王者」と言われている局だが、ドラマ事業では他局に負けているところがある。
さらに、日テレの映画事業は他局に比べて特に弱いと言われているのだ。
映画に強いと言われるのはTBSとフジテレビの2社だが、TBSは今年だけでも鈴木亮平(40)主演の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(興行収入44億円突破)とSnow Manの目黒蓮(26)主演の『わたしの幸せな結婚』(25億円突破)などヒット作を連発。
一方のフジテレビは「三谷幸喜監督作品」という強いブランドを持つほか、長澤まさみ(36)主演の『コンフィデンスマンJP』、福山雅治(54)主演の『ガリレオ』など、ヒット作をシリーズ化して長期コンテンツにするのが得意。
「フジテレビでは、前作が興行収入37億円超えを記録した『翔んで埼玉』の続編、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』が11月23日に公開を予定しています。
TBS、フジに比べると、日テレは映画部門がいまひとつ……。ドル箱コンテンツの『劇場版 名探偵コナン』シリーズも日テレが参加しているものの、テレビ版も含めて主体は関連会社の読売テレビとアニメ会社のトムス・エンタテインメントですからね。
日テレとしては、『葬送のフリーレン』をヒットさせ、興行収入400億円を突破した『鬼滅』の映画『無限列車編』のような劇場版まで持っていきたいと思われます。『金曜ロードショー』で新規層の関心を集めることには成功したので、10月6日以降の通常枠(金曜午後11時)がどこまで注目を集められるか……それが、今後の映画戦略の成功を左右するかもしれませんね」(前出のエンタメ誌ライター)
同じ小学館の先輩である『名探偵コナン』や、国民的コンテンツと化した『鬼滅の刃』を超えるポテンシャルを持っているかもしれない『葬送のフリーレン』。長く愛されるアニメ作品になればよいが、果たして――。