■都内だけで交通違反件数は1か月で250件以上増加
また、電動キックボードならではの特徴も、事故発生件数の増加に影響していると大成管理官は指摘する。
「ブレーキ一つをとっても自転車とは段違いで強い。2輪で走行しますし、モビリティ単体で自立できないため不安定な部分もあります。利用者にとって想定外の挙動が機体に起こり得る。それを十分に理解した上で利用して頂きたい」
事故に比例して増加しているのが違反件数だ。都内で7月に取り締まりが行なわれた電動キックボードに関する交通違反は373件。8月は633件と増加傾向を辿っている。最も多い違反は信号無視で全体の約5割。背景にあるのは利用者の交通規範意識の低下だ。
「免許なしで運転ができるということで、自転車と同じ感覚で乗車している人が少なからずいるのだと思います。たとえば、道の左右を見て、車が来てないからいいや、程度の感覚で信号無視をしている方もいるのでしょう。
信号無視は明確な交通違反ですので、利用者にその点が守られていないというのは、交通規範意識が低いといえるのでは」(前出の大成管理官)