■脚本センスがちょっとズレている?

 その一方で、「広瀬すずちゃん&永瀬廉くんの演技と映像の美しさに、めちゃくちゃ助けられてるドラマだな〜ってのが感想 これ脚本がまともだったら今期1番取れたんじゃね?」などと、広瀬と永瀬の演技は魅力的だが、北川悦吏子の脚本に難有りという声が少なくない。

 これは、「なんかもうスベってると思う。キャラもセリフ回しも浅くて古くさい」「いつの時代かと思ったわ。アップデートされてない脚本家さんなのね」「こうしとけばエモいんでしょって、最近の流行りの固有名詞を取り込んでくる感じが鼻につく」などの声から、脚本の時代遅れ具合と、あざとさが理由のようだ。

 具体的に上げると、舞台の下宿や銭湯、老舗蕎麦屋。空豆が着ているスウェットの、“大東京”や“時すでにお寿司”のロゴなどすでに手垢のついたものばかり。さらに突然会話に出てくる同局の安住アナの名前。令和の時代に電話番号のメモを渡すなど、「これがエモいのよ」と言わんばかりのアピールが、どれも視聴者の感覚とズレているのだ。

 視聴率は下がっても、見逃し配信「Tver」の再生数は好調で、ドラマランキングの上位を維持しているが、これは広瀬と永瀬の熱心なファンに支えられていると思われる。どうやら今作は、“ひたすら広瀬と永瀬を楽しむドラマ”だと、割り切ったほうが良さそうだ。(ドラマライター/ヤマカワ)