■代行業界の高齢化と利用者の意識の低さ
代行業界がネット時代に遅れている事情は、ズバリ「就業者=高齢者」であることだ。
「検索した時に何らかの情報がヒットすればまだいいほう。零細事業なのでHPを作る労力はかけられないという事情もありますが、業者は高齢者が多く、スマホやアプリといった言葉を聞いただけで苦手意識を示すケースも少なくありません。
情報が満足に得られないまま適当に依頼してしまい、利用者は“こんなはずでは”というモヤモヤを抱えてしまうんです」(前出の小林氏)
”こんなはずでは”の実例は多岐にわたる。前述のトラブル例はもちろん、クレジットカードで払えると思ったら現金のみの取り扱いだったといった想定外のケースも。
本来なら、何分ぐらいで来てくれるのか、料金、支払い方法など、自分に合った選び方をしたほうがサービス満足度は高くなるはずだが、小林氏によれば「運転さえしてくれたらいい、という程度の認識しかない人も多い」という。
利用側の意識が低い結果、不正請求を行なうような悪徳業者だけでなく、最悪の場合“闇業者”に引っかかってしまう可能性もある。
「代行業者をするための届け出をせず、無認可のまま代行を行なっている違法なケースもあると聞きます。また、大体そういう業者は保険に入っていない。保険料を節約したいという考えなのだと思いますが、違法なうえに事故でも起こしたら大変です。
とはいえ利用側には一見だけでは闇業者かどうかわからないため、知らず知らず利用してしまう危険がある。届け出をしている代行業者は各都道府県警察のHPに掲載されているのですが、普通はなかなかそこまで調べないですから」(前同)