■実はもっと若い演出が担当するはずだった!?

 そんな、草なぎの「民放連ドラ復帰第1弾」として申し分ない成績を見せている『罠の戦争』。しかし、実は放送開始前に、カンテレ内では“検討課題”があったという。

「ドラマの場合は“監督”ではなく“演出”と呼びますが、カンテレは『罠の戦争』を若い層にも観てほしくて、演出も若い人に任せたいと考えていたそうです。当然ですが、演出が若い方が感性も撮り方も“今ふう”で、若い人にもウケますからね。

 しかし、その適任が見つからなかったため、結果的に『嘘の戦争』も『銭の戦争』も撮っている大ベテランの三宅喜重さんに演出とプロデューサーを任せる運びになったといいます」(前出の制作会社関係者)

 三宅氏は、「俳優・草なぎ剛」の知名度を一気に押し上げた1997年放送の『いいひと。』(フジテレビ系)でも演出助手を務めている。

 また、『僕シリーズ3部作』と呼ばれる2003年の『僕の生きる道』、2004年の『僕と彼女と彼女と生きる道』、2006年の『僕の歩く道』の草なぎ主演シリーズも演出を担当するなど、草なぎと縁の深い人物の1人である。

 2022年12月17日配信の『TVer+』のインタビュー連載『連載PEROSON』で、草なぎはこう話している。

《三宅監督とは“復讐シリーズ”を全部一緒にやっているので、ディスカッションすることもあります。他のスタッフも何度か一緒に仕事をした方がほとんどなので、何も言わなくてもスムーズに進んでいくところがありますね》

《(演技プランを三宅監督と)ちょっと擦り合わせて。「あまりやりすぎない方がいいのかな」と僕が言うと、「いやいや、剛くん。ここはポイントとして、ちょっとやっておこう」みたいな感じで、“罠感”を出していくんです。「監督、ちょっと“罠感”出しすぎじゃない? わざとらしいよ。俺やりたくないんだけど」と言っても結局やらされちゃってます(笑)》