■銀座の高級クラブ発の廃棄花の蒸留酒が誕生する!?

 廃棄花を使ったジンを開発したきっかけを「LOSS IS MORE」で代表を務める小川翔大氏に尋ねると、

「生花だと長くても2~3週間ぐらい、早いものだと1週間ぐらいで元気がなくなってしまいます。短命なお花を、消費期限のない蒸留酒に価値変換できるとすごくステキだよね、という発想です」

 と明かしてくれた。

 1本375mlで3850円。ジン好きの人はもちろん、ストーリーに共感した飲食店からも「是非取り扱いたい」という声が相次いだという。そんな小川氏が現在目をつけているのは、煌びやかな夜蝶が所狭しと羽ばたく「銀座の高級クラブ」だ。

「日々たくさんのお花のやり取りが発生している業界です。開店祝いやバースデープレゼントとして、胡蝶蘭のような高級なお花も毎晩のように届く。でもやっぱり、飾る場所の問題などもあり、廃棄せざるを得ないのが実情。“いただくのは嬉しいんだけど、その度に心が痛みます”というお声はお店の方からも耳にします。

 そこで、届いたお花はしばらくお店に飾った後、僕たちが買い取ってお酒にする。それをもう一度お店にお戻しして、お客様に提供するのはどうかという企画を進めています」(前同)

 廃棄予定だった花の数々。1500億円越えの廃棄花が、新たな経済価値を日本社会にもたらすか。