「ただいまの時間 席数を制限して営業しております」
こちらは定食や丼物を中心に提供する大手外食チェーン「やよい軒」の店内に貼られたメッセージだ。店内には空席があるものの、人手が足りなかったのかお客さんを入店制限。
10月16日、そんな状況を見かねたあるX(ツイッター)ユーザーが店内に貼られたメッセージを撮影した写真とともに《やよい軒が人手不足を理由に座席制限。日本経済は危機にあるというより、既に崖から転落してる最中なのでは?》と未来を憂えるコメントを添えて投稿。
労働力不足が叫ばれるなか、人手不足が衣食住という日常生活に関わるところにまで影響を及ぼしていると、感じたユーザーが多いのか、100万ビューを超える注目を集めた。
この投稿に同調したのか、コメント欄には《保証もなくすぐ捨てられるような立場の人を安く雇いたいっていう今までの方がおかしいのかもね》といった意見や、《ほかのチェーン店も同じような張り紙が貼ってありました。 本格的な人手不足のようですね。。》という投稿が相次いだ。
この事態を受け、やよい軒を直撃すると、「確かに人員不足ということはある」と認めつつも、「どういった条件下で座席制限をかけるのかという基準や店舗事情などといった詳細はお答えできない」ということだった。
かねてより飲食業界で叫ばれる人員不足。時給を上げる会社、店舗も多いが、なぜなり手がいないのか。東京・渋谷区のカフェ店長(30代女性)も「常にアルバイトスタッフを求人している状態だ」と、その実情を明かす。
「地域によりますが、都市部の飲食店で働くアルバイトは学生かフリーターがほとんど。なかでも多いのは大学1年生で、それは“それまで働いたことがない”から。つまり、時給の相場や業界事情をよくわかっておらず、とりあえずバイトをしてみたいという純粋な気持ちで応募してくるのです。
でもだんだん慣れてくると、今度は他との時給の高低に目がいくようになってしまう。うちは今、時給1300円なのですが、同じ飲食業界でも夜や深夜営業のお店だと時給2000円を超えてくる。そうすると当然そちらに行きたくなりますよね。
採用した大学1年生が、少し業界のことを分かってくると辞めていくという繰り返しです」