■まさかの『いちばんすきな花』と被りも……
「木南さん演じる田中京子のベリーダンサーのド派手なインパクトや、“めるる”こと生見さんがトレードマークのロングヘアーを封印してボブヘア(ウィッグ)になったことが放送前は話題になっていましたね。
しかし、ストーリーもしっかりしていて、いわゆる“女性の生きづらさ”を重くなりすぎず、共感できるように描いた物語が好評な印象ですね。秋ドラマの期待作だった『いちばんすきな花』(フジテレビ系)と、視聴層が近いところもあるようですね」
『いちばんすきな花』は、多部未華子(34)、松下洸平(36)、今田美桜(26)、神尾楓珠(24)という超旬俳優が揃った“クアトロ主演”連続ドラマ。
昨年10月に放送され、社会現象となるほど話題になった川口春奈(28)とSnow Manの目黒蓮(26)の恋愛ドラマ『silent』のプロデューサー・村瀬健氏と脚本家・生方美久氏が再びタッグを組んだ作品だ。
特に今田のパートは『田中さん』と同じく“若い女性の生きづらさ”が色濃く描かれているだけに、
《思いがけず面白かったものの一つ。人との出会いによって変化する、救われるという点では『いちばんすきな花』と同じ括りだけど、こちらの方が共感しやすく描かれている》
《生きづらさという点で、『いちばんすきな花』と共通点があるねぇ でも、田中さんはもう一歩踏み出していて、自分の輝ける場所を見つけてる。素敵。木南晴夏さんはセクシー過ぎなくて美しい上に陰の表現さすがだし、めるるの演技はいつもグッと来る》
といった声は多い。
現時点で『いち花』の最高視聴率は第1話の世帯5.9%、個人3.3%なので、遅い時間帯で、さらに、そこまで注目されていなかった『田中さん』のほうが高視聴率という意外な結果になった。
「木南さんの演技力も相変わらず素晴らしいです。言うまでもなく素の木南さんは美人ですが、自分に自信が持てない猫背の人生を送っており、“鏡を見たら老婆が映っていた。まだ35歳だったのに”とショックを受け、変わる決意をした――という回想シーンで見せた姿は、本当にリアルで嫌な説得力があった。
『コタツ』の小池さんにも言えることですが、非常に大きな存在感、底力を持つ女優を、日テレは良いタイミングで主演にキャスティングできましたよね」
放送前はそこまで注目を集めていなかった2作。圧倒的すぎて、クールをまたいで他に影響を与えている『VIVANT』と内容、空気感が全く被らず、そのうえで役者と脚本にも恵まれた日テレドラマ2作が、今期は“勝ち組”になりそうだ――。