■『リンカーン』運動会はダウンタウンが体を張るから面白かった

 民放キー局関係者が話す。

「『リンカーン』の後継番組だと大々的に宣伝し、かまいたち、ニューヨークを始め人気芸人も集結。裏の月9ドラマ『ONEDAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)も世帯視聴率5.3%、個人視聴率3.2%と死に体にもかかわらず……『ジョンソン』の初回SPは“爆死”と言っていいほどの低視聴率を記録してしまったんです」

 同時間帯の番組では『しゃべくり007』(日本テレビ系)が世帯8.6%、個人5.2%と圧勝だった。

※画像は『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』の公式X(ツイッター)『@oneday_xmas_ado』より

「『リンカーン』のパクりではないかという指摘もありますが、後継番組であるのはたしか。だからこそ『リンカーン』の看板企画だった運動会をやろうとなったといいますね。ただ、これは総合演出のA氏が強引に進めた結果だったそうです……」(前同)

 同じ運動会をやるとなったら、視聴者はどうしても『リンカーン』と比べて見てしまう。一時代を築いた『リンカーン』はダウンタウンを筆頭に、さまぁ~ず雨上がり決死隊キャイ~ンの4組がメインで出演。準レギュラーにもおぎやはぎ中川家バナナマンフットボールアワーFUJIWARAと現在も活躍する人気芸人がいた。

「『リンカーン』の運動会は、当時すでにベテランで芸人界のトップに君臨していた松本人志さん(60)と浜田雅功さん(60)が、若手と同様に真剣に競技に臨む、体を張るという姿が面白かったわけです。

 一方、『ジョンソン』のメイン4組はまだ40代前半から30代半ば。彼らが体を張ったところで“普通の番組”、『リンカーン』の劣化版としかなりませんよね。加えて、芸人が59人も出演していて、肝心のスタート回で番組のメインが誰なのか、というのも視聴者に伝わりづらかったですよね」(同)

■放送前からスタッフが辞めていっていた

 レギュラー4組も中堅で、その他50人の芸人とキャリアはほとんど変わらないような構成だった。そしてその中堅芸人たちが体を張ったところで驚きはそれほどない。

 前出の民放キー局関係者は続ける。

「そういった事情は、放送前から当然、A氏以外の多くのスタッフ、そしてレギュラー4組もわかっていたといいます。多くのスタッフが、“運動会は無理です。別の企画でいきましょう”と強くA氏を止めたそうなんですが、決行してしまった。

 A氏は今、非常に勢いのあり明るい人柄も高く評価されるTBS局員のディレクターですが、経験はまだまだ浅く、もしかしたらさらに上層部からのプレッシャーもあり、“初回でスベるわけにはいかない”と置きにいく感じで“『リンカーン』伝説の企画である運動会でいく”となったのかもしれませんね……」

 しかし、その判断が招いた事態は、より深刻なものだったという。

「A氏が多数の強い反対を押し切り、強引に突っ走ってしまったせいで、“ついていけない”と制作スタッフが何人も辞める事態にも発展。制作の内部は超大荒れで、『ジョンソン』は始まる前から内部崩壊していたんです。

 そんな制作体制が不安定になる中、放送開始の約1か月くらい前に、レギュラー4組とスタッフとで決起集会を兼ねた飲み会が行なわれたといいます。4組は、スタッフがどんな志で番組に臨むのか、どんな番組にしていきたいのか確認したいという意図もあり、飲み会を行なったのかもしれません。

 ただ、そこでA氏は明確なプランを語れなかったようです。加えてA氏は“『リンカーン』はすごい番組だったから『リンカーン』に負けないようにしたい。だから数字を取るために、『リンカーン』の人気企画をやりましょう”といったことを話してしまったというんです」(同)