■”『silent』の壁”と“恋愛ドラマではない”という2点
前出の制作会社関係者は話す。
「『いちばんすきな花』が大苦戦している原因の1つは、『silent』の存在があまりにも大きすぎることでしょう。期待値が高すぎてどうしても比べられてしまい、『いちばんすきな花』が過小評価されてしまう。脚本家の生方さんは『silent』が連ドラデビュー作だったためそのインパクトも強く、出世作を超えるのが難しくなっている、ということですね」
視聴者が『いちばんすきな花』を語る際は、
《いちばんすきな花が、なるほどsilentだったわ。silentの終わり方イラついたから、どうかなあ。今回も最初はいい感じよ》
《「いちばんすきな花」、そろそろ離脱してしまうかもしれない…。モブの描き方が「silent」に比べても雑になっている気が》
《二人の関係性がテーマな中、silentみたいなひんやり熱い関係性が感じられなかった》
と、肯定的な意見でも否定的な意見でも、『silent』を引き合いに出す声は多い。
「2つ目の原因として、『silent』のような“恋愛ドラマ”を求めていた視聴者も多かったことが考えられます。『いちばんすきな花』は男女の友情が成立するのかをテーマに4人の主人公が交流していく物語ですが、彼らは“知り合い以上友達未満”な関係性。
潮ゆくえ(多部)には相手が結婚したせいで友情を維持できなくなってしまった赤田鼓太郎(仲野太賀/30)がいたり、春木椿(松下)には婚約破棄された小岩井純恋(臼田あさ美/39)がいたりと、それぞれに恋愛とは別の物語もある。そのため、恋愛ドラマではないんですよね……」
単純な恋愛で終わらない、考えさせられる作風を評価する声も多い一方で、
《silentチームが手がける言うから胸きゅんしまくり恋愛ドラマかと思いきやいきなり破局してつらすぎるじゃないか!ドラマくらい幸せが見たいんだよ》
《テーマを突きつけてくる重めの1話、良かったけどなんかしっくり来ないのは、今の自分が求めてるテンション感じゃないからかも 友情とか恋愛とかもどかしい人間関係について考えさせられるより、もっとハッピーでたまに熱くなれるようなドラマを求めている気がする…》
といった声もある。やはり、地上波テレビのドラマにおいては「恋愛もの」が定番で、それを期待する視聴者は多いのだ。
「多部さん、松下さん、今田さん、神尾さん、そんな旬な男女4人の俳優が集まっているのですから、“王道のストーリーを見てきゅんきゅんしたい”という視聴者の気持ちは分かりますよね……」