■共演者の仲は「めちゃくちゃ良い」、稽古場は「大人の学校みたい」

――『雷に7回撃たれても』のどこを特に見てもらいたいでしょうか。ここ面白いというポイントを教えてください。

 いっぱいありすぎて、どこをどう言ったらいいかわからないですけど。やはり、そこに存在する一人ひとりにすごく意味があって、主人公の⽥中⼋起を中心として、生きる人たちがどういう思いで、どういうふうに生きて、今ここで混じり合っているのかなっていうのが、雷の存在に負けないくらいすごく強くあって。

“人の存在の強さ”を私は感じた作品でしたね。人に生きる力というものを私は与えられたらいいな、と清澄美波として思っていますし……あんなことやこんなこともあるので、ワクワクしながら見てください。

 人って、ただ難しいだけじゃ毎日生きていけないじゃないですか。本当にそういう繊細な人としての面白さも、いっぱい伝わる作品だと思うので、目を凝らして見てください。

――稽古中にあった心に残るエピソードはありますでしょうか?

 本当にビックリしているんですけど、めちゃくちゃみんな仲良くて。初めてなんです、長い間、BiSHのメンバー以外の人とずっと一緒にいることってなくて。同じ作品を一緒に作り上げる人と毎日一緒にいて、こんなに仲良くなれるって、こんな素晴らしいことあるんだって、ビックリしたんですよ。

“なんかギスギスしているのかな? 怖い人いるのかな?”って思いながら来たのに、本当に全然そんなことなくて。みんなの一個一個のお芝居とか、かけてくれる言葉とかが私の中で全部勉強で、日々成長させてもらっています。大人の学校みたいな。しかも楽しくて、ちゃんとみんながみんなのこと大事に思っているから、誕生日とかもみんなでお祝いしたこともありますね。

 1回だけサプライズで、(主演の)大下ヒロトさんと私が遅刻して戻ってこなくて、すっごい空気で演出の濱田さんが怒るっていう芝居をみんなに仕掛けたんです。その日、誕生日の人がいて、“ドッキリ仕掛けよう”ってなったんです。みんなはもうヒリヒリしていて、“ヤバいこの空気”ってなりながら準備運動して、濱田さんも芝居でめっちゃ怒っていて。お芝居って分かっているのにすごく怖かったですね。

 それで、サプライズは成功したんですよ。“ドッキリでした~”ってなったんだけど、誕生日の本人の子が泣いちゃって……。私も“本当に怖かったな”っていう思い出です。ドッキリ成功しすぎました事件ですね。