■有吉弘行に言われて西堀亮がひねり出した本の企画とは……

「もう、芸人辞めて働こうかな……」

 一時はそのような考えが頭をよぎることもあったという西堀。しかし、『THE SECOND』で状況は一変。バラエティ番組に呼ばれる機会も増え、西堀は連続ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)の11月1日の第3話から登場することも明らかになるなど、活躍の場を増やしている。

※以下、『芸人という病』から一部抜粋。

――『THE SECOND』まで長い潜伏期間が続くわけですが、どんなことを考えていました?

西堀 カミさんは会社員として普通に仕事しているので、食べられなくなるってことはなかったけど、芸人の収入が激減したから土木のバイトしたりしてましたね。そんな中で、滝沢がゴミ清掃員でプチブレイクしたじゃないですか。実はその時が一番つらかったですね。

――コンビ間格差というか、妬みですか?

西堀 妬みとかじゃなくて、ヤベー、俺も何かしなければ完全に「あの人は今」になっちゃうぞっていう焦りかな。コンビで「じゃないほう」って言われるのかな、っていう恥ずかしさも出てきた。漫才では俺がエースだっていう自覚があっただけに、なおさら。

――コンビって一人だけ売れたりすると、うまくいかないものなんですかね?

西堀 どのコンビも同じだと思うけど、コンビで丸ごと要らないってなるより、一人だけ要らないってなるほうが絶対にキツいですね。

――焦った西堀さんは何をした?

西堀 そこから発明とか、YouTubeとかをやり始めたのかな。有吉(弘行)さんに、事務所に本の企画でも出せよって言われて持って行ったこともありました。

――どんな企画だったんですか?

西堀 『タカり飯』っていう企画(笑)。先輩にどうやってタカって、タダ飯&タダ酒にあやかるかっていうハウツー本。

コンビ間格差に焦ったと当時を振り返る西堀

■相方・滝沢秀一は小説『鬼虐め』で電子書籍大賞を受賞

――志が低いですね(笑)。滝沢さんの本はかなり評判ですよね。

西堀 そうなんですよ。あいつ、ゴミ清掃業とかエコとかだけじゃなくて、小説も書けるんですよ。ゴミ関連の本を書く前には、小説で賞を取りましたし。

――『鬼虐め』という作品で、弊社の電子書籍大賞「双葉社賞」を受賞しましたよね。

西堀 うらやましいですよね。あいつ、事務所の人が「賞を取ったよ」ってLINEで連絡した時も、都内で雨の中で清掃車に乗って仕事中だったんですって。それで、雨に濡れた清掃車の前で「ありがとうございます!」って、LINE返信したって。

――雨の清掃車……ってなんだか詩的ですね。西堀さんの『タカり飯』では賞はとれないですよね。

西堀 うるせーな! でも、それくらいコンビ格差が出ちゃって焦ってたんだよ。