■「容姿評価」から「発信力評価」の時代

 あらためてソフィコンの企画内容を鑑みると、容姿を審査するコンテストから、インフルエンサー能力を競うコンテストへと変わったともいえる。この変化について、上智大学新聞学科で講師を務めた経験もあるテレビプロデューサーの鎮目博道氏は、「時代を見据えた試みを自主的にやったという意味では評価したい」と話す。

「ジェンダーやルッキズムに左右されるべきじゃない、ということを学生たちが真剣に話し合った結果での取り組みですよね。上智大学の学生はある意味地味で、地に足がついている真面目さがあるのですが、女性の割合が全体の6割と男性よりも多い。ジェンダー問題に敏感な素地はあったとは言えるでしょう。

 そのうえで時代が求めているものは何か考えた時、今の子たちにとっての評価基準は“置物”としての美を愛でるようなミスコンよりも、人間としての発信力が重視されるようになってきているということだと思います」(鎮目氏)

 もちろん美しさを否定するものではない。一方で「その人の人物像やライフスタイルに共感できる人に興味をもつ時代」だと鎮目氏は指摘する。

「上智大学ではミスコンのように美人だけど、なんだか手の届かない、自分とは住む世界が違うと思わせられる人に“大学代表”になってもらうのではなく、自分たちの思っていることを代弁、発信してくれて、その内容に共感できる人を選びたいという方向に舵を切ったわけですよね。

 その意味で、ソフィコンの“インフルエンサーとしての力を競う”という着眼点はさすがだなと思います。インフルエンサーは人に支持され、好感を持ってもらわなくてはならない。美しさだけでは戦えません。出場者は自分の武器は何なのか、考えるきっかけにもなるでしょう」(前同)