■岸も「ないわ」と感じていたジュリー氏との確執

「岸さん、そして平野さんと神宮寺さんも、多くの熱心なファンが支えることでタレントがより活躍できる典型例ですよね。CMキャラクターを務める商品が売れるのと、そのタレントも評価されるのと同じことです。

 旧ジャニーズは、そんな“応援されるタレント”の代表格である岸さん、平野さん、神宮寺さんという3人を失ってしまった――あらためて、非常にもったいないことをしましたよね……」(前出の制作会社関係者)

 3人がキンプリとジャニーズを脱退した決定打の1つは、事務所の前社長である藤島ジュリー景子氏との確執が原因と言われている。

 2022年11月の『週刊文春』によると、ジャニー喜多川氏(享年87)の悲願だった海外進出を実現しようと奔走していたのが平野、神宮寺、岸だったが、海外での活動について取り合ってくれないジュリー氏に不満を持っていたという。

 平野は2022年の初め頃からジュリー氏に想いを伝えるため、何度も面談を申し込んでいたが、ジュリー氏のドタキャンが相次ぎ、途中からは5人で来るように言われ、メンバー5人で会いに行こうとしたものの、それでもドタキャンが続いたとされる。ようやく5人とジュリー氏の面談が叶ったのはその年の9月頃。しかし、その席でもジュリー氏はメンバーの話をまともに聞こうとしなかったと記事では伝えていた。

 また岸は、キンプリが稼働や人気に見合うような待遇ではなかったことに不満を抱いていたともいい、シャネルやエルメスなどの高級ブランドを愛用し、宝石だらけの指輪を身に着けたジュリー氏を見て、普段はあまり感情を出さない彼も「あれはないわ」と憤っていたと報じていた。

「結果的に旧ジャニーズ事務所はジャニー氏の加害問題が明るみに出たことで崩壊しましたが、とにかくジュリー氏は、平野さん、岸さん、神宮寺さんとは方向性が合わなかった。そして、彼らの思い、進む方向性を認めなかったと。その結果、多数の熱心なファンを抱える3人を手放してしまったわけで……事務所は、本当に大きなものを失ってしましましたよね」(前同)

 岸にとって旧ジャニーズタレントとして最後の仕事だった『Gメン』。その作品で、岸ファンの行動力、購買力の強さが如実に表れている――何とも皮肉なものだ。