■YouTube再生回数は9月に大ブレイク

 トレンドライターが、「槇原ドリル」が“バズった”背景を説明する。

「楽曲に中毒性があるのはもちろん、前後に足を蹴るなど、楽曲に合わせて軽快なステップを踏むダンスが人気の理由です。難易度が高い動きもありますが、人気の楽曲にあわせて投稿者が踊る”踊ってみた”はTikTok上でも人気のジャンル。上手なら上手で当然注目されますし、誰かがチャレンジする姿を見るだけでも楽しく、自分でもやってみたくなる。SNSで盛り上がるのに”槇原ドリル”はピッタリなんです。

 5人組ダンスクリエイター『Hoodie fam』や和風ダンスパフォーマンスチーム『5446thave』、人気インフルエンサーの加藤乃愛さん(20)、中町綾さん(22)、なえなのさん(22)らも挑戦していることで人気に火がついた。

 若者を中心にバズり、安田大サーカスクロちゃん(46)らテレビによく出ている芸能人も”参戦”。CHOBO CURRYさんが制作した動画の再生回数も公開して2年というタイミングで急上昇する事態となっています」

※画像はCHOBO CURRYの公式X『@chobocurry』より

 カルチャーメディア『AVE』(AVE | CORNER PRINTING)に22年11月25日に掲載されたインタビューによれば、CHOBO CURRYは学生時代、早稲田大学のバンドサークルに所属。新卒で広告代理店に就職したものの、4年働いて21年4月末に退職し、音楽の道を志す。YouTube上で動画投稿を開始したのは、その少し前の21年2月からだ。

 インタビューで「ずっと聴いていた音楽と地続きにヒップホップがあった」と語っていたCHOBO CURRY。YouTubeチャンネルではヒップホップ等の楽曲を自身の声のみでカバーする『全部俺の声』シリーズで地道にファンを獲得していった。

 これまでに公開された108本の動画は1本につき数千~3万回再生ほどが大半だったが、同チャンネルにおける総再生回数を見てみると、23年8月(7月26日~8月29日)が7万8777回だったのに対し、9月(8月30日~9月26日)は179万565回、10月(9月27日~10月31日)は287万692回。全動画のなかで100万再生超えは377万回再生の『もう恋なんてしない(槇原ドリルRemix)』のみということからも、この動画が総再生回数を牽引していることがわかる。

 メロディアスな『もう恋なんてしない』をノリのよいビートに乗せ、電子音などを混ぜ合わせてアレンジした同動画には、その曲調のギャップを面白がってか、

《リズムが癖になって定期的に聞きたくなる》
《本当に聞き心地が良すぎる》

 といった声が寄せられている。