■大バズリで本家にも再注目が!

 このリミックスがきっかけで“本家”も改めて注目を集めている。12年11月12日に公開された『もう恋なんてしない』の公式MVは現時点までに7100万回再生されているが、今秋になって、

《最近耳にすることが多いので改めて聞きに来たけど、サビに入る瞬間鳥肌が立つくらい良い曲だわ》
《久しぶりに聞いたけど、とにかく歌詞が素晴らしいし、メロディーも完璧》

 などと再評価する声が続々と投稿されるなか、若者も槇原に注目しているという。前出のレコード会社関係者が話す。

「原曲が作られたのは若者がポケットベルを持っていたような時代である1990年代前半。今の若者のなかには”槇原ドリル”で初めて槇原さんの原曲を知ったという人も珍しくないのですが、90年代はJ-POP全盛期で、当時制作された楽曲には名曲も多い。これをきっかけに槇原さんの楽曲にハマったという若者も少なくありません。

 実際、”最近の曲のリズムとか韻、アニメとの親和性を重視する風潮より、こういう歌詞もメロディーも心に直に訴えてくる曲の方が好き”という声も寄せられています」

 また、CHOBO CURRY自身も自身のX(旧ツイッター)で、

《当然ですが槇原敬之さんの『もう恋なんてしない』あってこそのリミックスです。ドリル風に成立させるためキーをマイナーで解釈してコード進行を潰しましたが、原曲には素晴らしいコードワークがあります。歴史的名曲なので改めて聴いてくださいね》

 とコメントしている。

 30年の時を経て「名曲は色褪せない」ことを感じ取る人は多そうだ。

槇原敬之(まきはら・のりゆき)
シンガーソングライター、作詞家、作曲家、編曲家。愛称「マッキー」。
1969年5月18日生、大阪府高槻市出身。青山学院大学文学部第二部英米文学科中退。
3浪中だった1990年に「AXIA MUSIC AUDITION’89」でグランプリを獲得、デビュー。翌1991年の3rdシングル『どんなときも。』が自身初のミリオンセラーを達成。『世界に一つだけの花』(SMAP)をはじめ、楽曲提供も多数。男性ソロ歌手としてアルバム総売上枚数歴代1位の記録を持つ。