有名店やデパ地下など、人気のものは毎年争奪戦になるクリスマスケーキ。有名パティシエや高級ホテルとのコラボ商品も多く、数量限定ともなれば予約が殺到してあっという間に完売する。そうしたなか、長年、クリスマスケーキを販売し続けているのがコンビニエンスストアだ。

 2023年8月26日に放送された『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)では、ローソン従業員が「旨い」と勧めるスイーツ10品中8品を一流スイーツ職人も「旨い」と認めた。盛り上がりを見せるコンビニスイーツだが、コンビニクリスマスケーキにもトレンドがあるという。

 流通ジャーナリストでコンビニ評論家の渡辺広明氏によれば、「この10年でコンビニスイーツの実力は上がり続けている。その最高峰がクリスマスケーキ。今やデパ地下よりコンビニのクリスマスケーキの方がレベルが高い」と断言する。その理由はなんなのか。

「まず、原材料が良いものが入ってくるんです。というのも、コンビニの店舗数はセブン-イレブンが2万1438店(23年10月末時点)、ファミリーマート1万6456店(同)、ローソン1万4631店(23年2月末時点)と大手3社だけで全国に5万店あります。

 一方デパートの数は、全国で182店舗(日本百貨店協会調べ/23年2月末時点)、スーパーは2万3032店舗(全国スーパーマーケット協会調べ/23年10月末時点)。デパートやスーパーよりもコンビニの店舗数は圧倒的に多い。仕入れ数が多いので、高品質の食材をデパートよりも安く仕入れられるのです」(前出の渡辺氏)

 デパ地下に軒を連ねるブティックのブランドケーキは5号サイズ(直径約15cm、4~6名用)で6000円から8000円ほど。なかには1万円を超えるものもある。

「たとえば同サイズで、鎧塚俊彦氏やミッシェル・ブランといった人気パティシエ監修のコラボケーキを展開しているセブン-イレブンのラインナップを見てみると4000円台から。コラボ商品でなければ2000円台からの物もある。もちろん物凄く安いとはいえませんが、コンビニの方が価格に対して価値が高いのは確かです」(前同)