■幅広い層に支持を得る「チキン」、クリスマスこそ存在感を発揮

 そして“節約”という面において、クリスマスでのコンビニの強みは「チキン」である。コンビニのレジ横にあるホットスナックの中でも、世代・時期を問わずに人気な“コンビニチキン”は、クリスマスこそその存在感を発揮する。

「コンビニのチキンは店内の専用フライヤーで揚げるため、家で作るよりも絶対に美味しい。できたてを楽しめるのは生活圏内にあるコンビニならではの強みです。そしてクリスマスシーズン、コンビニは各社骨付きチキンを販売したり、通常で買うよりもお得になるセット商品を企画したりしています。

 たとえば、ローソンでは黄金チキン骨つき2個、Lチキレギュラー2個、からあげクンレギュラー15個という『チキンBOX』が税込1480円。ファミマ『3種チキンのパーティーセット』は、ファミマプレミアムチキン(骨付き)3本、直火焼ローストチキンレッグ(骨付き)3本、ファミチキ(骨なし)3個が入って税込2730円です。両商品とも、通常価格で買うより300円弱安い設定になっています。

 セブン-イレブンはチキンのセット商品はないのですが、店内調理の炭火焼きローストチキンレッグが税抜き556円、骨付きのななチキは352円(税抜き)と骨付きチキンが手軽に楽しめる。節約志向の方にもぴったりです」(前出の渡辺氏)

 コンビニで4000円ぐらいのケーキと2000円ほどのチキンセットを買った合計金額が、デパ地下で6000円するケーキ1個分と考えれば確かにお得。コンビニクリスマス商品、侮れない。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
1967年生まれ、浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長・スーパーバイザーを経て約16年間バイヤーを経験。日用品を中心に、さまざまなメーカーと約750品目の商品開発に携わる。
顧問、講演、メディア出演等幅広い活動を行っており、現在フジテレビ『LiveNews α』レギュラーコメンテーター。Tokyofm『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ、YouTube『やらまいかビジニュース』。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(ベストセラーズ)、『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版、馬渕磨理子との共著)等。