■「プチ贅沢」と「節約」の両方が叶うコンビニ

 23年のコンビニクリスマスケーキにおける“トレンド”は何か。

「まず、今は消費行動が二極化しています。高いものも買うけど、安いものも買う。そこで、コンビニの戦略としては“プチ贅沢”と“節約”の両刀です。そして、コンビニにはさまざまな業界とのコラボが得意という特徴がある。

 クリスマスケーキでいうと、セブン-イレブンは人気パティシエとコラボ、ローソンはGODIVAのような人気高級スイーツ店とコラボ、ファミマは人気キャラクターなど、高付加価値のものとコラボしながら、価格がデパ地下よりも安いというのは大きなメリットです。

 デパ地下の方が高級感があるように思うかもしれませんが、それは買う時の非日常感に対して価格が上がっているという側面がある」(前出の渡辺氏)

 では、どういう人がコンビニでクリスマスケーキを買うのか。

「コンビニでは少人数世帯の需要も多く、4号(直径約12cm、3~4名用)など小さいサイズがよく売れます。あと、何よりも大きいのは基本的に全国一律ということ。沖縄や北海道は別の場合がありますが、地方にいたらGODIVAのケーキを食べるチャンスもなかなかない。コンビニで展開してくれるから初めて名店の味を楽しめるという人は多いのです」(前同)