■男性用尿モレケア用品の市場規模は急速拡大中

 商品開発実験では、尿モレ対策として男性が手に取りがちな『ティッシュペーパー』『生理用ナプキン』に加えて『男性用快適シート』の吸収力を比較。下着の中にそれらを装着し、それぞれに一般的な尿漏れの量とされる4ccの水分を注入。下着への染み・漏れや、肌への“戻り”具合を確かめたという。

チューブを使って上から水分を注入する

 ティッシュは、ほぼあっという間に下着までびしょびしょに。生理用ナプキンでは性器がずれたと仮定した場合に“横モレ”が発生してしまうほか、あくまでも経血用という用途で作られているため、水分のみを吸収させると若干の肌戻りがある。『男性用快適シート』は下着への染みもモレもなく、また肌への戻りもないことが確認された。

「男性用快適シートは、折りたたみ時に10ccのもので2ミリという薄さ。ティッシュ4つ折りと同等です。装着時の違和感を感じにくいのはもちろん、もっとも心を砕いたのは持ち運び時の形状。一見おしぼりのようなパッケージで、携帯にも抵抗感が少ないものを目指しました」(前出の第一商品開発部・髙阪氏)

左から『ライフリー さわやか男性用快適シート』(10cc用)、『ライフリーさわやか男性用安心パッド』(80cc用)、生理用ナプキン

 こうした男性用尿モレケア用品の市場規模は、同社調べで「参入当初の7倍以上にまで拡大した」というが、ユニ・チャームジャパンブランドマネジメント部ブランドマネージャーの加藤尚輝氏は「男性に尿モレがあるということがまだまだ浸透しておらず、ケアの概念もない。一人で悩んでいる人が多いのが実態」だと話す。

 市場は拡大しているのに、ケアの概念が浸透しない背景には何があるのか。