■椿の守ってあげたい感と、受け止めてくれる優しさが大好評

 椿は、周りから「いい人」と評判だが、誰にとっても「いい人」なせいで、いつも「2人組にならせてもらえなかった」過去を持つ男。椿が婚約者と住むつもりで購入した一軒家は、結果的に4人の主人公のたまり場となり、年長者のため3人の「お父さん」のような存在になっている。

 序盤から見せていた、独特な感性から生きづらさを抱えている椿の姿は多くの視聴者を沼落ちさせていたが、11月9日放送の第5話では泣きながら電話してくる佐藤紅葉(神尾)を相手に優しく穏やかな声で受け止める姿に、

《紅葉の突然の電話に優しくそっと耳を貸してあげる椿さん、相槌の声が優しくて包み込む温かさ、素敵すぎてそれだけで泣きそうになる》
《「うん」の優しさよこんなに優しい「うん」言える人いる?》

 といった、感動の声が多く寄せられている。

「松下さんは、ヒロインの心の支えになってあげられるような頼もしさがある役が多かったですが、『いち花』では、さらに役の引き出しが増えた印象を受けます。『光る君へ』の紹介文では、吉高さん演じるまひろに“優しく穏やか”な一方で、“どこか謎めいたところがある男”という意味深な一文もある。とてもミステリアスな演技も見せてくれるかもしれませんね。

 役者として新たな引き出し、一面をどんどん見せてくれていっている松下さん。そして当然、吉高さんも進化している。『最愛』とはまた違った2人の化学反応――極上のケミストリーに期待したいですね」

『いち花』はリアルタイムの視聴率こそ振るわないが、放送後1週間における『TVer』と『FOD』の見逃し配信は、1話から第4話までで1話平均300万再生を突破。TVerの“お気に入り登録”数は、10月クール放送の民放ドラマ最多の130万を突破している。松下演じる椿を何度もリピートして楽しんでいる視聴者も多いのだろう。

 現在『いち花』では底が見えない“椿沼”が発生しているが、あと何回、松下の「○○沼」にハマッてしまうのか――そう思いつつも、俳優・松下洸平からは目が離せない――。