■青木真也が『BreakingDown』を語る

 そんななか、アジア最大の格闘技団体『ONE Championship』元世界ライト級王者で格闘家の青木真也(40)は、「朝倉さんにとって、タイトルなんて重要ではないのでは」という見方を示す。

「YouTubeのチャンネル登録者数が330万人(11月22日10時現在)もいる朝倉さんは、もはや格闘技YouTuberという”新種”。ネット・SNS時代でPV数、視聴数至上主義になってから、格闘技界もタイトルやベルトの大事度合いが変わってきている印象はあります。格闘技、格闘家のことはなんとなく知っていても、“王冠”のすごさがよく分かっていない視聴層も多くなった」

 新しいタイトルがなくても、朝倉の一挙手一投足には注目が集まるのはなぜなのか。

「今はコンテンツ消費のスピードがめちゃくちゃくちゃ速いので、ファンの引きも想像以上に早いなか、朝倉さんはYouTuberとしての活動や、イベントプロデューサーとしてどんどん手札を切ることができる。成功体験に引きずられず、自身が消費されることを恐れない強さがありますよね。タイトル云々よりも、次々に新しいコンテンツを投下するから注目される、新しい世代だなと感じます。

 新世代といえば、朝倉さんが主宰する1分1ラウンド制の格闘技イベント『BreakingDown』を嫌う格闘家は少なくないけど、僕は嫌いじゃないですよ。ちゃんとしたお寿司屋さんは別に回転寿司の存在を否定しないでしょ、っていう話で、あのイベントは意見する土俵にない。

 だって『BreakingDown』でしか輝けない人っていると思うんですよ。社会では輝けないけど、『BreakingDown』で輝ける人がいるとすれば、その大会の存在は有益だと思うんです」(前同)

『BreakingDown』は毎回、PPV方式で配信されており、放送後はX(旧ツイッター)上でもトレンドに上がる超人気コンテンツだ。