■朝倉未来“引退”発言に「身も蓋もない話をすると……」
また朝倉の当初の引退発言について、青木は「格闘家の”引退”は信じちゃいけない」と笑い飛ばす。
「引退する時期は人それぞれですが、たとえば僕なら格闘が好きだという前提がありつつも、カネが稼げない、仕事として成立しなくなったら辞める。その意味では、朝倉さんは需要がまだまだあるので、引退する必要はないでしょう。ただし、もっと効率よく稼げるビジネスを展開する能力もある人なので、プレイヤーとして格闘技をやる意味は見い出せないのかもしれませんよね」
朝倉はもう少し現役を続けそうな気配だが――。
「本当は、いちばん楽なのは今回辞めること。今後を考えるならちゃんと辞めるほうがいいと思いますよ。お金も知名度もあるし、他のビジネスもできる。
とはいえ身も蓋もない話をすると、結局、格闘家が一番注目度を稼げるのは試合というのも事実。そのおいしさをいちばん知っているのは朝倉さん自身なので、そのへんの損得勘定をした結果の現役続行表明なのでしょう。ただ、どんどん若い力が出てくるし、相手に箔をつけてあげるばかりにならないといいですけど」
今回の1R77秒ノックアウト負けのインパクトはあまりにも強い朝倉。ストリートファイターから人気格闘家になった『路上の伝説』は今後、どんな物語を描くのか、多くの人が見守っている――。
青木真也
1983年5月9日生まれ、静岡県出身。小学生時代に柔道を始め、全日本ジュニア強化選手に選抜。早稲田大学在学中に総合格闘技に転身。修斗、PRIDE、DREAM等で活躍し、修斗世界ミドル級王者、日本人初のDREAMライト級王者。
2012年からアジア最大の格闘技団体ONE Championshipに参戦、2度の世界ライト級王者。2014年からはプロレスにも参戦。17年にNEW、18年からはDDTプロレスリングに参戦、DDT EXTREME級王座、アイアンマンヘビーメタル級王座を獲得。柔術等の道場で講師として後進育成にも力を注ぐ。