■埼玉はダサくない! 県議は郷土愛を議会で叫んだ
議事録を読み進めると、「あるタレントに至っては、テレビの中で、埼玉の後進性を印象づけるために、農村にも現存をしてない下肥かつぎのジェスチャーを演じているとも聞いております」との片貝県議の発言も残されている。
確かに、これを読むとバラエティ番組における笑いのためとはいえ、タレントサイドもいささかやりすぎの感があったことは否めない。その後、片貝県議の埼玉愛はヒートアップ。
『埼玉はダサイか、郷土愛いつまでも』と題され、読売新聞に掲載された55歳(当時)の読者による投書を片手に、「埼玉を侮辱する人たちに抗議するとともに、よその人が何を言おうと長年住み慣れたふるさとに強い愛着を持っているし、こんな素晴しい自然を持っている郷土をいつまでも愛していく」とも述べている。
「当時はインターネットもなく、全国区のテレビ番組やタレントの発言が今より影響力があった時代です。片貝議員もその影響を危惧して、議会で埼玉愛を主張したのでしょう」(前出の県政関係者)
埼玉県が舞台となった前作『翔んで埼玉』を劇場で観た観客数が全国1位だったのは埼玉県。時代が変わろうと、埼玉県民は“ダさいたま”との呼称に注目をしているのである。