近年、ノスタルジックな雰囲気をまといつつもフレッシュな感覚で新しい価値を加えた“ネオ○○”が、10代〜20代前半のZ世代を中心とする若者の間でブームとなっている。
飲食界においては「ネオ居酒屋」「ネオ喫茶」などに注目が集まる昨今。共通するのは、メニューや店構えに昔ながらのレトロ要素が盛り込まれていること。それが人気の秘訣だ。中高年にとっては昔ながらでも、若者にとってはその雰囲気が斬新に映るのか、《かわいい》《映える》と話題に。
大人気タレントのマツコ・デラックス(51)がMCを務めるTBS系の人気番組『マツコの知らない世界』でも、11月14日放送回では「昭和レトロ喫茶店」の世界を特集。純喫茶を取り上げた番組には「面白い」という視聴者からの声が相次いだ。
飲食店業界での熱いレトロ旋風の波はスイーツ界にも到来。トレンドアナリストの太田まき子氏が「今、SNSで流行中の“映える”ネオ和菓子」選りすぐり3品を、人気の理由とともに紹介してくれた。
まず、なぜ今「ネオ」が注目されるのか。太田氏は「“再解釈”がポイント」だと言う。
「『ネオ』という言葉は、元はギリシア語のneosで“新しい”という意味。そこから派生した英語のneoは“新しい”“次代の”“復活”といった意味があります。そして今、日本で使われる“ネオ○○”は、単なる“復活”ではなく、プラスアルファで今風のものを取り入れ、再解釈したもの。
レトロとモダンの融合がポイントで、キーワードは“懐かしさ”דいまどき”。古き良きものに昔の伝統や文化、思いを大切にしながら現代につなげているところに魅力を感じるのでしょう」(前同)
たとえば、国内外で飲食事業を幅広く手掛ける、コズミックホールディングスはアルバイトで働いていた女子高生が2021年に考案した『飲むわらびもち』(抹茶・黑蜜・ミルクティー・季節限定メニュー/各税込730円~)を商品化。
今では1日で最高500杯を売り上げることもあるといい、販売を手がける和菓子店『とろり天使のわらびもち』は23年2月に佐賀県に出店し、日本全都道府県への進出を果たした。とろとろのわらびもち入りのドリンクに生クリームをトッピングした“映える”ルックスに加え、わらび餅をストローで飲むという新食感・新体験が話題となっている。