■老舗和菓子店の挑戦「新感覚ラムネ」とは

 3つめは、富山県高岡市にある1838年創業・大野屋が12年に発売開始した『高岡ラムネ』(10粒入、税込み・540円)だ。

「もともと干菓子の落雁や金平糖の木型をたくさん持っていて、そうした木型で作る和菓子の美しさを伝えたいという思いで、9代目社長の大野隆一さんの娘である悠さんが企画したもの。

 伝統的な和菓子の製法を用いながら富山県産コシヒカリや国産素材を組み合わせ、季節や行事に合った造形で作られたラムネをオシャレなパッケージに包んだ新感覚のラムネ商品です。お土産や贈り物にもピッタリで、見た目もかわいい、楽しいとして評判です。生姜味や柚子味、いちご味などといった優しい味わいも人気です」(前出のトレンドアナリストの太田氏)

※画像は「大野屋」の公式インスタグラム『@ohnoya.tokonatsu』より

 ネオ和菓子が支持・拡散される大きな理由は、“映え”以前にやはり全く未知の味ではないところなのだろう。ベースとなる味を知っているからこそ、その進化を楽しめる。新世代が、定番商品に新たな歴史を刻んでいっている――。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。