■“美しすぎる”おはぎ専門店「タケノとおはぎ」
そんな新解釈のネオ和菓子の筆頭に太田氏が挙げるのは、おはぎ専門店『タケノとおはぎ』だ。おはぎといえばもち米や米を丸くまとめたものをあんこで包んだ和菓子だが、同店が販売するおはぎはチョコレートやナッツ、フルーツを使ったもので、形もバラやヒマワリなど、まさに“進化系”。
「世田谷・桜新町に2016年にオープンすると行列の絶えない人気店になり、18年には学芸大学に2号店がオープンしています。
店主の小川寛貴さんは元々洋食出身で、デリカテッセンのオーナーシェフ。“タケノ”は小川さんのおばあ様の名前だそうです。お店で販売している大納言小豆を使った“THE定番”であるこしあんとつぶあん、2種類のおはぎ(いずれも税込180円)が、おばあ様に教わったものとのこと。
それに加えて、白こしあんを使った日替わりの“変わり種”5種類が1個250円~350円で販売されているのですが、”ナッツとショコラ餅””金ゴマきな粉とレーズン””紫芋とココナッツ”など、とにかく味の組み合わせが斬新。かつ見た目が繊細で、SNSでも“美しすぎる”と話題です。味も見た目も常に新しい商品が出ていることが飽きさせない秘訣だと思います」(前出のトレンドアナリストの太田氏)
使う食材だけでなく、上生菓子のように見た目から季節を感じさせるものも多い。ネーミングも”華紅葉~はなもみじ~”(白こし餡×栗のオーブン焼き〈小布施〉×抹茶×カボチャ)、”凩~こがらし~”(白こし餡×山クラゲの炒め煮×ヒマラヤローズソルト×よもぎ)など、秀逸だ。
「何度行っても新発見があるので、話題が途切れることはありません。お店のインスタグラムもフォトジェニックな商品写真が多数掲載されていて、SNS戦略が上手なんですよね。オーダーメイドをすることも可能で、手土産はもちろん記念日の贈り物にも喜ばれます」(前同)