■日テレはアニメで約35億円稼ぐことに成功した

『葬送のフリーレン』は、第1話~第4話が9月23日に日本テレビ系『金曜ロードショー』枠で初回2時間スペシャルが放送されるという異例のスタートを切り、日テレが並々ならぬ入れ込みを見せていることがうかがえる。

 それが功を奏したのか、『フリーレン』は新設したアニメ枠『FRIDAY ANIME NIGHT』(金曜午後11時)で放送されている5話以降も、世帯視聴率3%台をキープ(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。時間帯を考えると、非常に健闘していると言えるだろう。10月28日放送回(第8話)にて、世帯4.4%という高い数字を出したこともある。

「11月17日放送の『葬送のフリーレン』の第11話は世帯視聴率3.9%。さらにテレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率も2.3%。午後11時という時間帯を考えると、これはかなり高い数字です。子どもたちや若年層がしっかり見ている証拠ですね。

 これまで、アニメコンテンツでは、フジテレビの『ONE PIECE(ワンピース)』や『鬼滅の刃』などに遅れを取っている感がありましたが、日テレは『葬送のフリーレン』で猛追しているようですよ」(制作会社関係者)

 日テレは9月中間決算において、同局のアニメ事業の事業収支が前年同期比83.2%増の34億8500万円、収支が同65.5%増の15億9100万円と大きく伸びたことを明かし、その理由を「アニメ事業の海外向けセールスが好調だった」とを公表している。『葬送のフリーレン』以外も新作の本数が増えたほか、『アンパンマン』などの従来からの作品の配信も数字を押し上げたという。

「公式の報告からも分かるように、日テレは今後、アニメ事業の海外向けセールスに力を入れていくそうですよ。そして、その中でも最も期待されているのが『葬送のフリーレン』ということです。

 現在の日本は超円安ですが、それを利用して、輸出で外貨を稼ごうという戦略だといいますね。今は、日本車メーカーが莫大な外貨を獲得していますからね……」(前同)