■『ドキュメンタル』は売れまくっている

 しかし、アマプラで唯一、燦然と輝いているコンテンツがある。

「それが松本さんの『ドキュメンタル』ですよね。2016年にスタートして、今回発表されたシーズン13ほか番外編も多く制作されています。

 シーズン1が2017年上半期の『日本Amanzonランキング大賞』のプライム・ビデオ総合部門にて1位を獲得したのを皮切りに、数多くの賞を受賞。『ドキュメンタル』効果で、多くのユーザーが“見てみよう”とアマプラに入会するなど、大貢献していますよね」(前出の制作会社関係者)

 さらに『ドキュメンタル』は、もう1つ、収入源の確保に成功したという。

「『ドキュメンタル』の番組フォーマットが、海外に売れまくっているんですよ。

 11月時点でメキシコ、オーストラリア、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、インド、ブラジル、カナダの9か国が『LOL』のタイトルで『ドキュメンタル』の海外版を配信していますが、複数シーズン制作されている国も多い。本作は他のバラエティ番組に比べて低予算で作れる、という利点もありますからね」(前同)

※画像は『ドキュメンタル』の公式X『@DocumentalJP』より

『ドキュメンタル』は「密室笑わせ合いサバイバル」番組。松本がモニタリングする部屋と芸人たちが集合する部屋さえあれば成立するため、セットにお金をかけずに制作できる。

 キングコング西野亮廣(43)は2020年4月30日にオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』にて松本を、

「みんなせっせとソフトを作ってるのに、松本さんだけファミリーコンピューター(ハード)を作っちゃってる」「本人もハードを作りながらマリオみたいなソフトを作ってる。1人で任天堂みたいなことをしている」

 と評したほか、松本のハードの凄さとして、大喜利用の写真やサイコロなどがあれば成立する、「セット費のかからなさ」を評価していた。『ドキュメンタル』も、その例に漏れていない。

「松本さんは還暦を迎えた現在もお笑い界で圧倒的な影響力を誇りますが、それはアマプラでも同じだった、ということですよね。

『ドキュメンタル』はこれまで芸人縛りもありましたが、22年のシーズン11が『UNLIMITED』と銘打って芸人が1人も登場しなかったり、23年のシーズン12では芸人と非芸人が入り混じるなど、発展を続けている。今後も『アマプラ』を支えるコンテンツとして、続いていくのではないでしょうか」(前出の制作会社関係者)

 配信コンテンツでも天下を取る松本。笑いの天才の力は、やはり偉大だった。