■女の子はツケ返済のためにSNS上で職探し
返済のために、女の子がホストクラブへと出向けば“一杯だけ”と誘われ接客を受ける。大半の客はその後、耳元でホストが囁く甘言に屈し、店を出る頃には再び青伝を手に握る羽目になるというカラクリだ。
「店に足を運べば売掛金は雪だるま式に増えます。100万、200万とツケが貯まるにつれ、返済はどんどん困難に。働き口を求めて風俗店の扉を叩いたり、路上で売春行為をする女性が現れるというわけです」(前出の歌舞伎町ホストクラブ事情に明るい人物)
そんな女性たちを夜職の世界へと導くのがスカウトだ。一昔前は、路上で声を掛ける手法が一般的だった。しかしSNSの進化に伴い、そのリクルート方法にも近年変化が見られるという。
「X(旧ツイッター)での声かけが中心です。女の子が“出稼ぎ希望”(自分の生活圏外にある風俗店で勤務すること)や“体入(体験入店)できるお店ありませんか”とつぶやくのをX上で探しては、返信欄で“お店、紹介します”と声を掛ける。SNSを通じたやり取りですから、女の子の心理的負担も少ない」(前同)
女の子が風俗店で働くようになれば、スカウトには仲介料として紹介先からお金が手渡される。これが問題だと指摘するのは、悪質ホストクラブ問題に取り組む立憲民主党の山井和則衆院議員だ。山井議員は、本サイトの取材にこう話す。
「SNS上にいるスカウトは匿名・流動型犯罪グループと呼ばれる集団です。彼らはネット上で知り合い、緩い繋がりで形成されている。SNSで女性をスカウトし、風俗業へと斡旋することは、売春防止法違反にあたる恐れもある。
彼らは立派な犯罪者集団。要はホストクラブで作られた売掛金の回収に、犯罪グループが関与しているというわけです」