■常設レストランもオープン! 予約は抽選制の大賑わい

 11月16日には池袋PARCOで常設レストラン『ちいかわレストラン』がグランドオープン。人気の高さから予約は現在(11月30日時点)抽選制だ。超人気スポットと化している『ちいかわレストラン』。現場に出向くと、推しぬい(推しのぬいぐるみ)を片手に熱心に写真を撮る人も。

推しぬいを片手に来場するファンも

 その内の一人である30代の女性に話を聞くと、

「なかなか予約が取れなくって。やっと抽選に当たったんです」

 と満面の笑み。食べてみたいメニューを尋ねると、

「キャラクターのうさぎが好きなので、うさぎがモチーフになったカレーが食べたいです」(前同)

 と元気に明かしてくれた。

『ちいかわ』の魅力を尋ねると、

「あんなに小さくて可愛いのに、日常生活を一生懸命に頑張っている姿を見ていると惹かれて、つい応援したくなってしまう。自分も頑張ろうと思えるんです」(同)

 他には、11月26日に完結した『ちいかわ』島編をX上で読んだという、30代の女性読者からはこんな声も。

「島編では島へと出かけたちいかわ一味と、島に住むセイレーン(ギリシャ神話に出てくる海の怪物)や人魚との交流が描かれていました。その中で過去に島民が、不老不死を得るために人魚を食べていたという描写があります。漫画『ちいかわ』にはほとんどセリフがないので、作画を基に物語を考察するしかないのですが、考えれば考えるほどストーリーはシュール。

 島編の最終話を読むと、過去に人魚を食べた島民が、セイレーンに退治されたとしか思えない描写もある。ただ、単純に可愛いだけではなく、物語もひとひねりされているのが魅力。読後にSNS上で考察合戦が盛り上がることも珍しくありません」

 頑張る姿が視聴者や読者の共感を呼ぶ『ちいかわ』。物語には考察要素もあり、読後に読者間で盛り上がれるのも人気の秘訣のようだ。この一大ブームは当面衰えそうにない。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。