■スズ子が歌う“六郎の歌”

 前出のテレビ誌編集者が続ける。

「11月20日の第36話では六郎に召集令状が届き、六郎は悲しむどころか喜ぶんです。彼は天然で抜けたところがありますが、自身はそこに劣等感を抱いていた。しっかりとした男になりたいという思いがあり、兵隊になりたかったんですね。ただ、梅吉とツヤは息子が戦争に行くという深刻さに悲しみに暮れていた。

 その後、六郎は東京にいるスズ子のもとを訪れるのですが、夜、隣で寝る姉を前に、“ワイ……死にとうないわ”と本心を吐露してすがりつくんです。あの場面も涙を誘いましたよね」

 視聴者からは、

《六郎の絞り出すような声が辛い。戦争に行ったら戻れないかも知れない。最後に姉の顔が見たい、六郎は家族を想う優しい子だった》
《六郎、自宅では皆に心配かけたくなくて明るく振るまってたんだな。赤紙来てから毎晩1人できっと震えてたんだよ。姉やんにだけは「死にとうない!」って抱きついて泣きじゃくる六郎が健気すぎる…》
《ずっとはしゃいでた六郎が夜になると死にとうないとスズ子に本音を吐き出す。そんな六郎を抱き締めるスズ子。泣くしかないでしょうが…》

 などのコメントが寄せられた。

※画像は『ブギウギ』の公式X(ツイッター)『@asadora_bk_nhk』より

「今週の『ブギウギ』では六郎が戦死したことで、スズ子は歌の練習ができなくなってしまうといった展開が描かれます。歌おうと思ったら六郎のことが浮かんでしまって、喉が詰まってしまうんです。そんなスズ子のために草なぎ剛さん(49)演じる羽鳥善一が、スズ子が話してくれた六郎への想いを『大空の弟』という楽曲に込める。

 楽譜を読んだスズ子は涙を流す。公演でトリを務めることになったスズ子が『大空の弟』を歌うと、脳裏に六郎の思い出が次々とよみがえる。客席の父・梅吉は涙を止められない。スズ子が涙をこらえて必死に歌い上げると拍手が沸き起こる――という感動のシーンになるといいます。

 今週の『ブギウギ』は、どの日も涙なしでは見られないのではないでしょうか……」(前同)

 六郎の死を乗り越え、スズ子の歌声はさらに輝きを増していくに違いない。