■TBSの作品は地上波ドラマのトップランナー

『ペンディングトレイン』は、陰のある山田と熱血漢の赤楚が奇妙な友情で結ばれていく様子などが丁寧に描かれていて、視聴者からの評判は上々。平均世帯視聴率6.1%とそこまで好成績ではなかったが話題性は高かった。その結果、こうして山田と赤楚がワンツーでヤフー検索大賞を受賞しているのだ。

「TBSドラマは制作陣のレベルが高く、よく考えられて面白く作られていて、ヒットする可能性が高い。だから、人気俳優を抱える芸能プロダクションは、同局のドラマに優先的にスケジュールを切るんです。特に『日曜劇場』枠など、端役で出演した俳優にも注目が集まることが多いですよね。そのため、2年先までスケジュールを渡すプロダクションもあるといいます。

『ペンディングトレイン』も、山田さんと赤楚さんがさらに人気となることを見据えてキャスティングしているし、役もドハマりだった。

“良い作品が作れる→視聴率が取れ、話題作になる→売れっ子俳優が優先的に出演する→良い作品が作れる……”という好循環にTBSドラマはあるんです。地上波ドラマにおけるトップランナーですよね」(前出の制作会社関係者)

『ペンディングトレイン』以降も、山田と赤楚は明るい話題が多い。

 山田の最近の話題では、12月1日に全米で公開された『ゴジラ-1.0』が日本製作のゴジラシリーズとして歴代最高記録を更新。さらに、2023年の「外国映画」(非英語作品)のオープニング興収でもトップとなる、週末3日間(12月1日~3日)のオープニング興行収入(先行上映含む)が約1100万ドル(約16億円)を記録する大ヒット。主演の神木だけでなく、重要キャラを演じていた山田のキャリアにも良い影響を与えることだろう。

※画像は山田裕貴の公式X『@00_yuki_Y』より

 赤楚は、7月クールに日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で、地上波の民放GP帯の連続ドラマ初主演作『こっち向いてよ向井くん』が放送された。これまで赤楚が演じてきた“頼れるキャラ”とは逆の情けない姿が新鮮で、話題となった。演技と違うところでは、赤楚は11月29日に『ベストドレッサー賞 芸能部門』にも輝いている。

「そして、山田さんは来年1月の月9で永野さんとのラブストーリー『君が心をくれたから』で重要な相手役を務め、赤楚さんは4月に水曜22時枠で病院を舞台にしたサスペンス作品で主演すると。今年4月期にすでに『ペンディングトレイン』のメインに起用していたTBSと比べると、少々遅いような気もしますが、両者の右肩上がりの人気を考えると、来年の2つのフジテレビドラマも、良い結果が望めるのではないでしょうか」(前同)

 旬の俳優をいち早く起用し、話題のドラマを制作できるTBS。その優位性があらためて伝わる『ヤフー検索大賞』だったといえそうだ。