■気をつけるべきはオシャレで手頃なものが多い「超音波式」

 2018年には大分県の介護施設で、加湿器で繁殖したレジオネラ菌による高齢者3名の集団感染および1名の死亡事故が発生した。加湿器を使用する時の注意点・ポイントは何か。

「大前提として、加湿器で室内の湿度を適切に保つことは大切です。ただ、一口に加湿器といっても水を放出する方法によってタイプが分かれ、衛生面にデメリットが出てきます」(前出の久住医師)

 加湿器には、「超音波式」「スチーム式(加熱式)」「ハイブリッド式(加熱気化式・加熱超音波式)」「気化式」の4タイプがある。久住医師は、「特に気をつけるべきは超音波式」だという。

「スチーム式は電気ポットが沸騰するのと同じ理屈で、加熱して水を沸騰させるため菌が繁殖しない。気化式はフィルターを通した水分を蒸発させる方式なので、フィルターにカビや菌がついていれば、そのまま空中に散布されてしまいます。

 そして超音波式は、超音波で水滴を細かくして空中に飛ばしているだけ。つまり、そもそもの水にカビや菌が含まれていれば、それがそのまま拡散するということです。超音波式はオシャレなものやコンパクトなものが多く、価格も手頃なので人気がありますが、衛生面ではいちばん気をつける必要があります」(前同)